約 845,782 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/158.html
◆ 火花が散る。数合剣戟を交え、剣刃が乱れ飛ぶ。灼熱する斧を弾き飛ばし、横に薙ぎ払う。押した。押して押し捲った。 隙はない。防御も厚い。しかし、破れる。突き破り、この男を避わすことが出来る。それが見えた。が、同時に側面を衝かれ、手痛い被害を受ける自身の姿も見えていた。 一瞬の躊躇。それで機を失う。攻めあぐね、跳び下がり距離を取る。五度目だった。突き破れる手ごたえを感じながらも、全て跳ね返された。 目の前の男は待っている。それは確実だった。薄ら笑いを浮かべながら、強引に突破を図る瞬間を待ちわびているのだ。それに乗る事は出来ない。 ブンドルは唇を噛んだ。すでに相当の時間が経過している。死者が出ていても不思議ではないだけの時間だ。それだけの時間を費やして突破も出来ない。それがプライドに傷をつけた。 互いの損傷は皆無。僅かに斧を弾き飛ばした点だけ、相手に被害を与えた。ただそれだけだ。 無傷では切り抜けられない。崩せない。手負う覚悟があって初めて傷を負わせられる。この男を突き崩せる。そう思った。 だがそれは許されないのだ。ラプラスコンピューターに損害を与えることは避けねばならない。やはり無傷で切り抜けるしかないのだ。それには切っ掛けがいる。あの男の注意を逸らすだけの切っ掛けが。 ◇ 「つまらねぇな……」 小さく呟いた。この敵はつまらない。技術技量は驚くほど高い。動きも目を見張るほどで、無駄がなく隙もない。攻めは苛烈。守りは堅固。しかし、つまらない。 恐さがないのだ。堅実で、大きく賭けに出てくるような動きを取ろうとしない。機会は何度もあったはずだ。賭けに出れば突破できる程度には、何度も崩された。 しかし、それに乗ってこない。そういう敵は手強くても恐ろしくはないものだ。つまりは、つまらない相手ということになる。 面白味という点では、アキトやテニアとか言う嬢ちゃんの方が遥かに勝っている。興味も半ば失せて来ていた。 その時だ。彼方に巨大な光輪の華が咲いた。咄嗟に背後を振り返る。その動作はモビルトレースシステムを伝わり、正確に機体に反映された。同時にゾッとした悪寒が体を包み込む。 「チィッ!!」 正面に向き直った。既に白銀の機体は驚くほど近い。無駄のない剣閃が襲ってくる。辛うじて防いだ。 そのまま二合三合と切り結ぶ。しかし、押されている。このままでは押し切られる。 思わず笑みが漏れた。 「ククク……やりゃぁ出来るじゃねぇか。なぁ!! おいッ!!!」 守りを捨て踏み込む。自らの身が傷つくことも厭わない。頭を断ち割るビームナイフの一撃。しかし、それは空を斬ることとなる。 眼前で白銀の機体の姿が変わる。人型から鳥のような姿へ。交錯。瞬く間に脇をすり抜けて背後へ。踏み込んだ分動きの遅れたガウルンは、その変化について行くことは叶わない。 振り返ったときにはその姿は既に小さくなっていた。とてもじゃないが追いつけない。 「やれやれ……やられたねぇ」 突如巻き起こった巨大な爆発。 おそらくは何らかの決着が着いたのだろう。だとすれば思ったほどの混戦にはならなかったということだ。それにあの爆発では生き残りがいるのかどうかも怪しい。いてもくたばり損ないだろう。 となれば、いまいち面白味に欠ける戦場だ。興味が急速に失われていくのを感じていた。 「骨折り損のくたびれ儲けってやつか……。まったくお寒いねぇ」 地に落ちたヒートアックスを拾い上げたガウルンは、思わずそうぼやかずにはいられなかった。 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好、主催者に対する怒り、焦り 機体状態:サイバスター状態、各部に損傷、左拳損壊 現在位置:D-3 第一行動方針:ギンガナムとの合流 第二行動方針:協力者を捜索 第三行動方針:三四人の小集団を形成させる 第四行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労小、DG細胞感染、気力120 機体状況:全身に弾痕多数、頭部・左肩・胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積 DG細胞感染、損傷自動修復中、ビームナイフとヒートアックスを装備 現在位置:D-3 第一行動方針:近くにいる参加者を殺す 第二行動方針:アキト、テニアを殺す 第三行動方針:皆殺し 第四行動方針:できればクルツの首を取りたい 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】 【グラキエース 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:精神不安定。放送の時刻が怖い 機体状況:無数の微細な傷、装甲を損耗、EN残量1/2、ブレンバーにヒビ ENの減少により長距離バイタルジャンプの使用不可 現在位置:D-3 第一行動方針:アイビスと共に離脱 第二行動方針:クルツの代わりにノイ=レジセイアを一発ぶん殴る 最終行動方針:??? 備考1:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません 備考2:負の感情の吸収は続いていますが放送直後以外なら直に自分に向けられない限り支障はありません】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ヒメ・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:気力回復、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない) 機体状況:頭部損失(実質大破)ソードエクステンション装備。 現在位置:D-3 第一行動方針:ラキを問い詰める 第二行動方針:寝るのが少しだけ怖い 最終行動方針:どうしよう・・・・・・ 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A) パイロット状況:死亡 機体状況:大破】 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態――――― ざわり 空気が揺れた。クルツの巻き起こした爆発の余波による電波障害は、未だ治まる様子を見せていない。だからレーダーに反応は無かった。 しかし、肌が不穏なモノを感じ取ったのだ。それは皮膚を焦がすように熱い闘争本能の塊。濃厚にして濃密。全てを焼き尽くさずにはおれない地獄の業火。 そういったモノが、廃墟の一部を荒野へと変えた爆発の中心地点のほうから迫って来る。間違いない。奴はまだ生きている。確信に近い思いでラキはそれを感じ取った。 顔が難しい表情を作り、思い悩む。悩み悩んだ後で、ラキは諦めたようにポツリと呟いた。 「……どちらにしてもこれしかないか。すまないな、クルツ」 クルツと自分の役回りが逆ならば、こんなことにはならなかった。クルツが命を落とすことなど無かった。 そして、今自分はクルツが残してくれた命を散らそうとしている。今度は自分の番。そう思い定めている。そういう意味での二重の謝罪だった。 通信をヒメ・ブレンへと繋げる。 「アイビス、さっきも頼んだようにこいつを頼む」 「えっ?」 モニターにアイビスの顔が映し出される。驚いた目が大きく見開かれるのが見えた。 恐らく死んでいったヒメ・ブレンの体をその内側までも綺麗に拭っていたのだろう。せめて綺麗な姿で弔ってやろう、そういう想いが、手に握り締められた汚れた布切れに込められているように思えた。 その光景にふっと頬が優しく緩むのを感じる。こんな奴だからだ。こんな奴だからこそ、ジョシュアも守って死んでいったのだろう。そういう気がした。 「ギンガナムがそこまで迫っている。私はこれからあいつを止めに行く。心配するな。お前だけは何があっても絶対に守るから」 「待って! 私も行く。ラキ、あんただけに戦わせるなんて出来ない」 懸命な目と声が迫って来る。一心に言い募ってくるその必死さに思わず押し切られそうになりながら、しかしラキはゆっくりと諭すようにアイビスの言葉を退けた。 その語調には、子供に言い聞かせる母親の温もりがどこか染み出ている。 「それは出来ない。今のお前では足手まといなんだ。分かるだろう?」 「でもそれじゃあ、あんたが……あんたも……」 「気にするな。メリオルエッセである私には似合いの最後だ」 アイビスが俯いた。分かっているのだ。自分が何の役にも立たないのだと。送り出せばもう帰って来ないのだと。 肩が震えている。泣いているのか? そう思ってもどう声を掛けて良いのか分からず、途方に暮れながらも、何故かこのときラキはジュシュアに向けるのとはまた違った愛おしさが湧き出てくるのを感じていた。 生きた時間で言ってしまえば、ラキはアイビスの十分の一も生きていない。しかし、それは母親が愛娘に向ける愛情のようなものだったのかもしれない。 やがて袖口で目元を拭ったアイビスの顔が上がり、無理に貼り付けた笑顔を浮かべる。今にも崩れ去りそうな笑顔。しかし潤んだ眼差しは真摯に見つめてきていた。 「ラキ、あんたは……あんたはもう立派な人間だよ」 そうか、泣いていたんじゃない……この娘は考えていたのだ。もう止められないと思い、最後に何を伝えられるのか、その言葉を探していたのだ。 何だろう……胸が温かい。なんとなく分かった……これは一番私が欲しかった言葉なんだろう。 ふっと目頭が弛む。笑顔で返そうとして、涙が溢れてくるのを抑えることが出来ない。 「そうか……私は人になれたのか……」 ほぅっと溜息を吐くようにして言葉が漏れる。大事に大事に言葉を口の中で反芻し咀嚼する。あたたかい。胸に灯ったぬくもりが気持ちいい。 何よりの餞だ……私には過ぎた餞別だ。思えば誰かにそう言ってもらえるのを私は待っていたのかもしれない。ありがたい。 でも、だからだ。こんなことを言ってくれる人間だからこそ守らなきゃいけないんだ。 「アイビス、ありがとう。泣くな。胸を張れ。お前は精一杯頑張っている。 ……会えてうれしかった。がんばれ」 溢れた涙が零れ落ちるのを頬に感じた。その涙の一粒でさえも今は温かい。 通信をそっと閉じる。暫くは体が震えて動くことが出来なかった。いや、胸中に湧き出てきたぬくもりを噛み締めていたかったのかもしれない。 ぐいっと潤んだ目を拭い、鼻を噛む。大きく長い溜息を一つ。 ちらりと横目で頭部を砕かれたヒメ・ブレンを確認する。その右手にはしっかりとソードエクステンションが握られていた。最後まで力強く戦った証だった。 これで憂いはもう何もない。後はどれだけ完全な状態でネリー・ブレンをアイビスに明け渡せるかだ。 キッと目元に力を込め、前方を睨みつけたラキは、いつもと同じ声、同じ態度でブレンに最後の戦いを促した。 「さぁ! 行こう、ブレン!!」 ◇ D-3地区に広がる広大な廃墟。その一角を円形に抉り飛ばし、出現した小さな荒野の尽きるところ。 徐々に白んでいく空の下、何もない荒野と瓦礫の町の狭間でただ二つの機動兵器が全てに取り残されたようにぽつんと対峙していた。 装甲のいたるところに傷を拵え、金属特有の光沢を失っている蒼い機体ネリー・ブレン。 表面装甲の六割が膨大な熱量によって融解し、氷柱のように垂れ下がった状態で凝固しているシャイニングガンダム。 二つの機体はまさに満身創痍。だが、二機は戦う力も気概も失わず、かといって不用意には動くことも出来ずにただ睨み合いを続けていた。 全身が、汗にまみれていた。ギンガムの放つ圧力は並大抵のものではない。それを押し返し睨み合う。ただそれだけで疲労は蓄積されていく。 (ブレン、分かっているな?) (……) (すまないな。嫌な思いをさせる) これまでの交戦で互いが互いの手を読みつくしている。ゆえに迂闊な初動は即座に死に繋がる。普通ならば容易には動けないものなのだが、この男にそんなことは関係なかった。 「名残り惜しい気もするが、そろそろこの戦いも終わりだな。ならば――」 装甲が焼け爛れたシャイニングガンダムが光を発し、黄金に染まる。 緻密な計算も、姑息な浅知恵も関係ない。全てを薙ぎ倒す力の信奉者ギム=ギンガナムは吼えた。 「この一撃をもってええぇぇぇえええ!! 神の国への引導を渡してくれるっ!!!」 刹那、ブレンが一歩を踏み出し、その場から掻き消えた。格闘戦専用機相手に真っ向から攻める愚は冒さない。かと言って、初手から死角を使う愚かさもない。 側面を突く。しかし、ギンガナムはもう、鋭敏に反応していた。 雄叫びをあげ、ブレンバーを振るう。ぶつかった。押される。抗えたのは束の間だった。圧倒的な力で押し流される。それを何とか撥ね上げた。皹が広がる音。 二撃目。力を受け流しきれずに、ブレンバーの刀身が半ばで砕け散る。三撃目は死。次は凌ぎ切れない。だから刺し違える。命を賭してならそれが出来る。そして、それはここしかない。 跳躍。ギンガナムの右後方――左腕からもっとも遠い死角――そこへ。ギンガナムがにやりと笑った気がした。 瞬間、相手の左腕が閃光を発する。動きはここにきて尚早い。ここぞというところを嗅ぎ分けるこの男の嗅覚には、思わず舌を巻く。 三撃目。砕けた刀身を突き出した。前へ。ただ前へ。暁を背に二つの影が交錯する。ぐしゃりと砕ける音。モノが潰れる感触。 光る腕は眼前で止まり、その光を失っていた。そして、ブレンバーの刀身はギンガナムを貫いている。 「生きて……いるのか? 私は……」 死を覚悟して前に出た。にもかかわらず生きている。何故、自分は生きているのか? 生きていることを喜ぶよりも先に、疑問が思い浮かんだ。 ジョシュアがギンガナムの右腕を持っていってくれた。クルツが多大な損傷を与えてくれた。その彼らが開いた血路のお陰で生き残れた。 それは分かっていたが、やはり生きているということが不思議でならなかった。緊張の糸が途切れたのか、どこか呆然としているという自覚がある。 心ここにあらずというのは、こういうことなのだろうか? 「貴様、たしか……クラゲエースとか言ったか?」 不意に声を掛けられてびくりとした。思わず声が上擦るのを感じながら、言葉を返す。 「……グラキエースだ」 「ふ……ふふ……グラキエース……グラキエースか」 不適な笑みをこぼしたギンガナムが、ブレンバーが突き立ったまま一歩前に出る。 そして、一歩が二歩に。ブレンバーはさらに奥深く突き立つこととなり、黒いオイルが血の様に噴出していた。 「貴様の名、覚えたぞォォ!! 我、魂魄百万回生まれ変わってもおぉぉおおお!!! この恨み、晴らすからなああぁぁぁああああ!!!!」 眼前の左腕が再び閃光を発した。近い。そして、反応が遅れた。避わせない。ブレンの頭部が捕まる。咄嗟に両腕でその腕を掴む。しかし、ビクともしない。 突然、恐怖が襲ってきた。この身が消え果るという本能的な恐怖。ブレンのものか、自分のものか、判別はつかない。 思わず胸をグッと掴む。あたたかい。そうだ。このあたたかさの為なら私は命を賭けられる。私が私のままで逝くことが出来る。 ジョシュアはよくやったと褒めてくれるだろうか? あいつは私の頭にぽんと手を置き、優しくなでてくれるだろうか? きっと褒めてくれる。きっと優しくなででくれる。もう悔いは……ないっ! 「跳べ! 跳ぶんだ、ブレン!!」 怨嗟の念と自身への誇りを残し、一つの命を糧に二つの機動兵機がその場から掻き消える。そして、一ブロック南――D-4地区に余りにも小さな爆発音が人知れず鳴り響いた。 ◆ ラキが出て行って暫くたってから、ネリー・ブレンが戻ってきた。その姿は泣いていた。何故だか分からないが、そんな気がしたのだ。 コックピットを覗くとそこにはラキの遺骸が乗っていた。 それとヒメ・ブレンの分の穴をネリー・ブレンと一緒に掘った。クルツは跡形もなく吹き飛んでいて、埋めるようなものは何も残っていなかったのだ。 ブレンに触れ、そっと呟く。 「ねぇ、ブレン。ラキの最後は……どんなだった?」 (……) 「そう……そうか。うん。ありがとう」 二つの遺骸を納め、土をかぶせていく。こみ上げてくるものをグッと堪える。 ジョシュアを埋めたときには泣いた。シャアが死んだときには泣く気力すら残っていなかった。 でも、今は泣くべきではないと思っていた。 みんな見事に死んでいった。そうだ。見事な最後だったんだ。死ぬときはこうありたいと誰もが思えるような見事な死に様だ。 でも……死は死だ。他の何者でもない。 そして、自分は生かされた。たまたま自分は生かされたのかもしれない。そこにいたのが自分でない誰かであっても、きっとみんな守って死んでいっただろう。 だからといって、自分が生かされたという事実はなくならない。それはやはり黙して受け止めるべきことなのだ。 今はまだ泣かない。 泣くのはやるべきことが全部終わったあとでいい。そのときに思い出して泣こう。そのときまで涙は取っておこう。 遺骸が土に隠れると胸の前で手を合わせ、ゆっくりと目を閉じる。 ジョシュアは何も言わずにただ守ってくれた。シャアは死ぬこと以外好きにしろと言った。 クルツは命を懸けても譲れないことがあることを教えてくれた。ラキはただ頑張れと言ってくれた。 そして、ヒメ・ブレンはこんな私に最後まで付き合ってくれた。文句の一言もなく。 でも、何をやるべきなのかは、誰も教えてくれなかった。それはきっと自分で決めるべきことだ。みんなが生かしてくれた自分が自分で決めるべきことだ。 そう思った。 スッと目を開けたアイビスは、顔を上げてネリー・ブレンを見上げる。真似たのか両手を合わせた姿がそこにはあった。 そのどこか滑稽な姿にふっと頬を緩ませ、墓に背を向けて歩き出す。後ろ髪引かれながらも振り向かない。振り向いてはならない。 『そりゃ、お前が引け目を感じているからだ』 ギンガナムに接触する前、ラキのことを聞いた返しに、ここに来てからの話をしたときのクルツの言葉だ。 『一方的に何かをしてもらったと思ってる。自分は何もしてないのにってな。つまり対等だと思えないんだ。仲間なのにな。 理由もないのに世話を焼かれ続けるのってきまりが悪いだろ? それと同じだ。相手は気にしてないのかもしれないが、お前はそれを気にしてる。 だったら見返してやれるぐらいしっかりした人間になればいいのさ。そのくらい自分に自信がついたら、その後ろめたさは消えるんじゃねえかな』 一人生き残ってしまった後ろめたさ。それはまだ消えない。多分そう簡単に消えるものでもないだろう。消えるようなものではないのかもしれない。 それでも、いつかは死んでいった人たちの命に見合うような人間になりたかった。 「ジョシュア、ラキ、シャア、クルツ、ブレン……あんた達はそこで見ていて……もう迷わないから。もう立ち止まらないから。 私は、私なりの生き方で精一杯生き抜いて見せるから……。だから、笑って見ていて」 墓を背に、喉元まで出掛かった嗚咽と涙を押し戻し、空を見上げたアイビスは言う。思いのほか綺麗に澄んだ声が、朝露に溶けて消えていった。 「行こう、ブレン」 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:主催者に対する怒り、疲労(主に精神面) 機体状態:サイバスター状態、各部に損傷、左拳損壊 現在位置:D-3 第一行動方針:状況の把握 第二行動方針:協力者を捜索 第三行動方針:三四人の小集団を形成させる 第四行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労小、DG細胞感染、気力120 機体状況:全身に弾痕多数、頭部・左肩・胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積 DG細胞感染、損傷自動修復中、ビームナイフとヒートアックスを装備 現在位置:D-3 第一行動方針:近くにいる参加者を殺す 第二行動方針:アキト、テニアを殺す 第三行動方針:皆殺し 第四行動方針:できればクルツの首を取りたい 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:精神は持ち成した模様、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない) 機体状況:ソードエクステンション装備。ブレンバー損壊。 無数の微細な傷、装甲を損耗、EN残量1/2、 ENの減少により長距離バイタルジャンプの使用不可 現在位置:D-3 第一行動方針:自分がするべきことを見つける 最終行動方針:精一杯生き抜く 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A) パイロット状況:死亡 機体状況:大破】 【グラキエース 搭乗機体:なし パイロット状況:死亡(首輪爆発) 機体状況:なし】 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態:死亡(首輪爆発) 機体状況:右腕肘から先消失、腹部装甲に折れたブレンバーが突き刺さっている 各部装甲に多数の損傷、表面装甲の六割が融解して垂れ下がり凝固、EN10% 備考:シャイニングガンダムの現在地はD-4】 【残り24人】 【二日目5:30】 BACK NEXT 決意と殺意 投下順 解し得ぬ存在 決意の刃を鞘に潜ませ 時系列順 夜明けの遠吠え BACK NEXT 吼えろ拳/燃えよ剣 ブンドル ヘヴンズゲート ・――言葉には力を与える能がある ガウルン 戦いの矢 Unlucky Color アイビス 黄金の精神 Unlucky Color クルツ 私は人ではない ラキ 吼えろ拳/燃えよ剣 ギンガナム
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/58.html
美しくない ◆T6.9oUERyk 蒼空の彼方に僅かな染みが一つ浮かび上がる。 少しずつ大きくなっていくそれを外部センサーを通して認識しながら、テンカワアキトは通信を開く。 「・・・こちらガイ、聞こえるか?」 『はい、こちらユリカ。感度良好です!』 「8時の方角からUnKnown一機接近中、かなりの高空を飛んでいる。」 『8時の方角ですか、こっちの計器は何も捉えてません。やはりレーダーは効いていない様ですね。具体的な高度・速度はわかりますか?』 「いや、こっちも光学センサーでしか捉えていない。もう少し近づかないと具体的な数値はわからないな。」 『・・・わかりました、ガイさんはそのまま当艦の直援で待機して下さい、通信可能距離まで接近したら私が交信してみます。』 「了解。」 通信が終了すると、テンカワアキトは無敵戦艦ダイの上空で旋回飛行を続けながら少しずつYF-21の高度を上げていく。 空戦では高度を取ることが大きなアドバンテージに繋がる。電波状況の極端に悪いこの“箱庭”では通信可能距離も限られてくるのだが、 そのギリギリの高度までは上昇しておくに越したことはない。 直下では巨大怪獣そのものと言った外観の無敵戦艦ダイが足を止め、二つの鎌首をもたげ接近する未確認機を待ち構えている。 そのまま、ジリジリと時間は流れる 美しき風の魔装機神“サイバスター”を駆るブンドルはゲーム開始から3時間以上経てようやく己以外の参加者に遭遇した。 「戦闘機か」 近づくにつれて少しずつ判明したその正体は、近代のジェット戦闘機のようだ。 「ふむ、美しい航空機ではあるが・・・」 彼の元居た世界にある戦闘機、あるいはその発展型程度の機体ならこのサイバスターの脅威ではないが、 全く未知の技術で作られた物なら警戒が必要だろう。 「まあ、あちらに交戦の意思は無いようだが。」 こちらが相手に気付いたように、相手もこちらに気付いているはずである。 その上で離脱も接近もせず定点旋回を続けるということは、相手には交渉の意思があるということだ。 その意思に応じ、ブンドルも一定の速度を保ちながらダークブルーの戦闘機に接近する。 あと少しで通信可能な距離まで近づき、ブンドルはふと戦闘機の下を見る。 「・・・・」 見る見るうちに不機嫌に顔になり、そして行き成り機体を方向転換。純白の神鳥は一気に速度を増し、北の空へと飛び去ってゆく。 「まったく、美しくない・・・」 接近してきたUnNnownはあと少しで通信が可能、というとこで突如方向転換、何故かそのまま凄い速さで北の方へ飛び去ってしまった。 『あれ、あれれ!?何で行っちゃうんですか~?』 「・・・」 『どうしたんでしょうか?私たち何か不味いことしましたかな・・・』 「・・・」 テンカワアキトは眼下の巨大怪獣をYF-21の下部センサーで捉え 「ハァ・・・」 盛大に溜め息をついた。 【レオナルド・メディチ・ブンドル 登場機体サイバスター(魔装機神) パイロット状態:不機嫌 機体状態:サイバードに変形、良好 現在位置:D-6 第一行動方針:美しくない機体(無敵戦艦ダイ)から離れる 第二行動方針:首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ】 【テンカワ・アキト 搭乗機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:やや頭痛 機体状態:良好 現在位置:D-7 第一行動方針:ユリカを守る(そのためには、自分が犠牲になっても構わない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に返す(そのためには、どんな犠牲も厭わない)】 【ミスマル・ユリカ 搭乗機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:首をひねっている 機体状態:良好 現在位置:D-7 第一行動方針:仲間を集める 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:YF-21に乗っているのがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています アキトの名前はガイだと思っていますが、若干の疑問もあります】 【初日 15 20】 BACK NEXT ブレンとグラン 投下順 武人ギム・ギンガナムの独白 カフェタイム ―あんたらつくづく…― 時系列順 お姉さんと一緒 BACK 登場キャラ NEXT 闇色をした『王子』さま アキト 気になる、あの子 闇色をした『王子』さま ユリカ 気になる、あの子 悪の美学 ブンドル 引き合う風
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/304.html
広がる波紋 ◆960Bruf/Mw 19:40 D-6地区北部―― 甲高い電子音が鳴り、通信が入ったことを告げてくる。 通信元を一瞥しただけで確認するとユーゼス=ゴッツォは視線を外の宵闇へと走らせた。 そこにいるはずのメリクリウスの姿は闇に遮られて確認できない。 溜息を小さく一つ。そして、手を伸ばし通信を繋げる。 「私だ。カミーユ、見つかったのか?」 現在、ユーゼスとベガにカミーユを加えた三人はマサキ=アンドーの捜索の為に動いている。 「いえ……。ただ起動兵器が一機、岩山の影に確認できます」 モニターに前方の岩山を映すが、それらしきものは見咎められない。 三人の位置関係は、探索範囲を確保するため、ベガのローズセラヴィーを先頭に正三角形を描くように布陣。 有事に備えて互いを通信圏内に納めながらも、出来る限り三角形を大きく広げて移動している。 その為、カミーユが見つけた起動兵器はユーゼスの位置からは岩山の死角となっていた。 「こちらからでは確認は無理のようだな。状況は?」 「遠すぎてよく分かりませんね。距離的にレーダーに反応してもおかしくないのですが、反応もありません。おそらく起動状態にないのだと思います」 「ふむ。既に乗り手が死亡しているか乗り捨てられた可能性が高いな。とは言えパイロットの生死が不明な以上、このまま通り過ぎるわけにもいくまい」 話しながらも脳裏でいくつかの可能性――例えば、パイロットが技術者である可能性などを推定し、考えをまとめていく。 「私とカミーユで接触。ベガには警戒に当たってもらおう」 状況は自分の目で確認する。同時に、ベガよりも同行してからの時間の浅いカミーユを目の届く範囲に留め、観察をしてみることに決めた。 20:20 D-6地区中央岩山麓―― 「無人だな……。これをどう思う?」 岩山の裾野、岩壁に隠すように放置されていた20m程の紺の機体。 そのコックピットに滑り込みながら、振り向きもせずにユーゼスは質問を投げかけた。 背後でわずかに考える気配を見せた後、連れ立つ少年が答え始める。 「そうですね。細かいのは調べてみないと分かりませんが、大きな」 「ほう、VF-22S・SボーゲルⅡと言うのか……便利だな」 シートに腰掛けた途端に情報が首輪から流れ込んできて、思わず感嘆の声が漏れた。 それに遮られて一瞬カミーユの声が止まる。そんなカミーユの様子に頓着せずに「どうした? 続けてくれ」とユーゼスは続きを促した。 若干戸惑った様子を見せながらも気を取り直し、続きを口にし始める。 「大きな損傷はみあたらない。より性能のいい機体を手に入れ乗り換えたと見るのが妥当でしょう。 戦闘の痕跡が見られないことから、たまたま複座式だった仲間の機体に同乗させてもらっているという線が濃いと思います」 ――なるほど。血の巡りは悪くないようだな……悪くない。 手元では機体の状態チェックを素早く行いながら、人知れず仮面の下で笑みが浮かんだ。 「悪くない答えだが、複座と言うのは少々突飛だな。 私があの化け物の立場なら複座など許しはしない。サブパイロットなど不都合なだけだからな。 パイロットは殺されたと考えるほうが自然だ」 「でも、それでは機体の状態の説明が」 「最後まで私の意見を聞きたまえ」 反論を口に出しかけたカミーユを制して続きを口にする。 「なるほど。確かに殺して奪ったにしては機体がキレイ過ぎる。ここまでで致命傷を負うような出来事に遭ったとも考えられ難い。 だが、君の言うように仲間がいたと考えると状況は変わってくる。こうは考えられないか――」 そこで一先ず言葉を区切る。仮面の下に隠された瞳は楽しげに笑い、これから起こる反応をつぶさに観察しようとしていた。 「――その仲間が油断したパイロットを殺したと」 驚愕の色がカミーユの顔に浮かんだ。それを満足そうに眺めながら、ユーゼスは続きを口ずさむ。 「友好的な姿勢を示してきた。協力を持ちかけてきた。 最初の場で犠牲になった女性とそばにいた男、野次を飛ばした少女と隣にいた別の少女のことを考えれば、旧知の間柄だった可能性も考えられる。 おそらくはそういったことを利用し近づいてきたのだろう」 感情の色を出さぬ声で言い切った後、目の前の少年の様子を確認し確信する。 『頭は悪くはない。が、所詮は甘ちゃん坊やだな』と―― 「だが、この推論には確証付ける証拠がない。私は今からそれを探しに周囲を見回ってくる。君は機体のチェックを頼む。終わったらベガを呼んでおいてくれ、話し合いが必要だ」 指示を残してコックピットから抜け出る。いまだに動揺の治まらないカミーユの脇をすり抜けてその場を後にした。 推論が正しければ存在するはずの死体――そして、首輪を見つけ出すために。 21:00 D-6地区中央岩山麓―― 周辺の探索を終えたユーゼス、機体チェックを済ませたカミーユ、哨戒から戻ってきたベガの三人はVF-22の付近に集う。 「――という訳だ。 続いて周辺の状況を説明する。見つかったのは起動兵器の足跡が三機分。一機は残されている機体のものとしても、ここにいた者は今最低でも二人組みで行動している。 足跡のサイズから推し量るに大きさは二機とも20m前後。足跡の方角からこの二機は西へ向かったのはまず間違いない。 最後に、墓。何かが埋められた痕跡と誂えられた石から見て、ほぼ間違いない」 ユーゼスがそれまでの経緯と周辺で確認したことを告げる。続けてカミーユがVF-22の状態を、ベガが近辺の様子を話した。 一先ず全員の報告が終わった時、「変ね」とベガが呟き、「確かに」とユーゼスが相槌を打つ。 「ただ単に殺すのが目的なら、ご丁寧に埋める必要などない。 ならば、わざわざ手間をかけて埋めた目的はなんだ? 憐れみか? 慈悲か? それとも――」 「――隠蔽か」 口を挟んできたベガを見、頷くとユーゼスは説明を続ける。 「その通りだ。つまりは遺体を見られると何かしらの不都合があるということ。君らの反感を買うことを承知で言おう」 言葉を区切る。間を取り、ベガとカミーユ――二人の表情を確認したうえで波紋を呼ぶであろう言葉を投げかけた。 「私は墓を掘り返すつもりだ。可能ならば――」 『――首輪も手に入れたい』と地面に書き綴る。 「墓を暴いてまでして、手に入れるものじゃない」 厳しい視線と共にカミーユが立ち上がる。 『私は設備とサンプルさえあれば、この首輪を解除できる自信がある。その為の施設は既に押さえに行って貰っている。後は首輪だけなのだ』 「どうしてそんな理屈でしか物事を捉えられないんですか!」 「軽蔑してもらって構わんよ。だが、これだけは押し通させてもらう」 ユーゼスも立ち上がり正面からカミーユを見据える。 「あなたって人は、死んだ人間のことは考えられないんですか!!」 「死者を悼む気持ちは私にもある。だが、死んだ者よりも生きている者を私は優先する」 視線が絡み、ぶつかり合う。互いに引く姿勢は見当たらない。 「そんな大人、修正してやる」 砂土を踏みしめる音が鳴り、カミーユが大きく踏み込む。正拳が真っ直ぐに放たれる。 その瞬間、二者の間に青い影が素早く割り込み、拳を難なく受け止めた。 「少し落ち着きなさい。どちらの理屈も間違っていないわ。ただ私たちが今考えないといけないのは、死んだ人たちを憐れむことよりも、どうやって悲劇を減らしていくかでしょ。 だから――」 ゆっくりと諭すように綴られていた言葉が一度途切れ、そして苦渋の決断を下すような声に変わる。 「だがら仕方ないわ」 その一声にカミーユの顔色が変わり、掴まれていた腕を振り払う。 「もう、勝手にしろ!!」 そして、その場に背を向けて走り出した。 「カミーユ、待ちなさい!!」 声に振り返ることなく消えていく。その姿を眺めていたベガに背後から声がかかる。 「君はカミーユの方に行ってやれ。私は墓を掘ってくる」 その泰然とした台詞を合図にベガは走り出し、ユーゼスは墓へと向かい歩き出した。 21:25 D-6地区カティアの墓―― 人の寄り付かない墓所に一人仮面の男が立っている。 その奇妙な仮面には目が六つあしらわれた意匠が施され、全体は上下に細長く白い。 場所と男の格好がいっそう不気味さを引き立たせていた。 「クックックッ……」 男は笑い土を掘る。自らが行うこの非人道的な行為。それを最終的に黙認させる形をとらせたことで、ベガとカミーユ、二人の心に負い目を負わせたと確信して。 「クックックッ……」 男は笑い土を掘る。墓の下にある遺体。その首元に残されているであろう首輪を思って。 「クックックッ……ハハハ」 男は笑い土を掘る。土とは違う弾力に豊んだ感触。それが手元に伝わり、目的のものに行き着いたことを確信して。 一心不乱に土を掻き分ける。肌と思しきものに手が触れた。 伝わってくる熱を持たない肌の――例えるならばゴムのような感触。ただの肉塊の感触。それすらも彼には喜びの対象でしかない。 手首を掴み、力任せに遺体を土から引き抜く。その拍子に二つの眼球が転げ落ち、そして、絶句した。 掘り出した遺体。その鮮度は悪くなく夜ということも手伝って腐敗は進行していない。外傷も少なかった、ただ一点を除いては――。 頭部がごっそりと削げ落ちていたのだ。 トマトを勢いよく落とした状態とでも言おうか、これが頭かと言うほど潰された頭は、頭蓋が割れ、磨り潰された脳が飛び散り、脳液と血液が土を湿らせていた。 だがユーゼスが絶句したのはそんな遺体の状態にではない。彼の求めていたもの首輪がないのだ。 遺体を放り捨て、穴に飛び降りて湿った土を狂ったように掻き分ける。 だが、そこに求めるものの姿はなく、彼は諦めざるおえなかった。 辛うじて体つきから女性と分かる遺体を墓に戻し埋めなおす。そして、後ろ足で砂をかける様にしてその場を後にすると、考えをまとめ始めた。 遺体の状態が悪く、首輪もない。十中八九、殺害者が首輪を持ち去ったのは間違いない。 埋めたのは遺体を隠すためだと考えると、隠したいのはおそらく首輪と遺体の状態。 それを見ず知らずの他人に隠す必要はない。ならば、隠したい相手は同行者か……。 可能性としては、友好的な態度をとる20m前後の機体に乗った二人組み。その組み合わせは偽善者と善人。そして、偽善者は善人に殺害と首輪を隠している。 アルトまで戻ってきたところで、コクピットに乗り込みハッチを閉める。ベガもカミーユもまだ戻ってきてはいないようだった。 ――馬鹿なやつだ。 そう思った。隠さなければならない首輪など使いどころが難しく、所持がばれれば自らの立場が危うくなりかねない代物。 隠し持つのではなく堂々と所持できる状態でこそ意味がある。つまりはそれだけのことが思いつかない者か、あるいはそこまでの状態に持っていく才覚のない者。 ――所詮は他人を駒として使うだけの脳のない者か。 手を伸ばし、四角コンソールの横に並ぶスイッチ群の一つを押した。ダイヤルを回し周波数を合わせていく。 やがて通信はベガの仮面へと繋がった。 「ベガ、移動する。マサキ=アンドーを探す為にもこれ以上の時間のロスは好ましくないだろう。カミーユにはVF-22に乗るように伝えてくれ」 元の世界では可変機に乗っていたというカミーユがあれに乗るのが丁度いい。そう思った。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦INPACT) パイロット状態:良好(修理できなくて困ってるのも私だ) 機体状態:左腕損失、ダメージ蓄積 (整備によりやや軽減) 現在位置:D-6西部 第一行動方針:サイバスターとの接触 第二行動方針:首輪の入手・解除 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:D-6西部 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) パイロット状況:良好、マサキを心配 機体状況:良好 現在位置:D-6西部 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:味方を集める 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊】 【初日 21 40】 22:15 D-6地区中央岩山麓―― ユーゼスたちと入れ違いに現れたキラ達は警戒はトモロに任せ、一度バラけて周辺を探索。そして、再び残された機体の近くに集まり、持ち帰った情報を検討していた。 「機体が違う?」 「ああ、あれはカティアの機体じゃねえ。誰かが乗り換えて行っちまったんだ」 キラのあげた声にムサシが渋った声で返事を返す。 その様子を傍目に機体を眺めていたクロがマサキに声をかけた。 「マサキ、あれはメリクリウスじゃないかニャ」 「ああ、カミーユだ」 「そうニャ。ゼクス達といたカミーユが乗っていったのニャ」 「だから心配はいらねえ。大丈夫。信用のおけるやつだ」 そう締めたマサキの横から、ゾッと背筋の凍るような声でテニアは割り込む。 「そう。そのカミーユって言うのがカティアの墓を暴いたのね」 誰かに罪を擦り付ける絶好の機会だ――そう思った。 『確認しに行ったカティアの墓、そこには掘り返したと見られる痕跡が残っていた』とテニアに同行し墓の状態を確認したソシエが告げる。 「そんなはずはねえ。カミーユはそんなことをするやつじゃ」 「そんなことをする奴ないって? どうしてそんなことが言えるのよ。 そりゃあなたには助けてもらったし、信用はしてるけど、ホンの数時間しか一緒にいなかった人のことなんて、完全に理解できるはずなんてないじゃない。 ロランなんて数年間ずっと自分がムーンレイスだって隠してたんだから」 「いや、それでも俺が見たあいつはそんなことをする奴じゃなかった。大体なぁ、墓なんか掘り返すメリットがねえじゃねえか」 納得がいかないといった感じのマサキが反論を返した。それに真っ向からソシエも言葉を返す。 「あるわよ、馬鹿。今私たちの首に何が付いているのかよく考えてみないよ」 「グッ。だとしてもカミーユがここに来るまでの間に、誰か来たかもしれねえじゃねえか」 「誰がって誰よ?」 「そりゃ、誰かだよ……」 「ほら、答えられないじゃない」 「何だよ」 「何よ」 「まぁまぁ落ち着いて、二人とも」 「そんなことはどうだっていい!!」 ソシエとマサキの言い争いを見かねて割り込んだキラに被せて叫んだ。 「カティアの墓を暴いた奴がいる! カティアの首輪を奪った奴がいる!! 私はそいつを絶っ対に許さない!!!」 肩を怒らせ、拳に力を込め、血走った目をして、ありったけの声で叫んでやった。 周囲に重い空気が流れ、全員が押し黙る。 「とにかくまだカミーユの仕業と決まったわけじゃないんだから」 暫くして重い雰囲気に耐えかねたようにキラが言葉を口にした。それに救われたようにムサシも言葉を続ける。 「おいら思うんだが、今カティアの機体に乗っている奴の仕業と考えたほうが簡単じゃないか。それはカミーユかもしれねえし、違う奴かもしれねえ」 続いて二三人がポツポツと話す。そして、最後に気まずい雰囲気の流れる話し合いをキラが締めた。 「行き先が分からない以上、考えてもしかたない。今はとりあえず後回しにしてダイを止めるほうを優先しよう。いいね、テニア」 赤毛の少女はその言葉に答えを返さず、背を向け機体に向かってただ歩き出した。足音大きく、怒りを踏みしめるように。 【共通認識】 無敵戦艦ダイ、およびそのパイロットを危険だと判断。 【キラ・ヤマト 搭乗機体:Jアーク(勇者王ガオガイガー) パイロット状態:良好・ジョナサンへの不信 機体状態:ジェイダーへの変形は可能?・左舷損傷軽微良好(補給修復開始) EN、弾薬共に80%まで回復 現在位置:C-6 第一行動方針:ダイを倒す 第二行動方針:テニアがもしもゲームに乗っていた場合、彼女への処遇 第三行動方針:このゲームに乗っていない人たちを集める 最終行動方針:ノイ=レジセイアの撃破、そして脱出】 備考:Jアークは補給ポイントでの補給不可、毎時当たり若干回復。】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:非常に不安定 機体状況:良好・マニピュレーターに血が微かについている・ガンポッドを装備 現在位置:C-6 第一行動方針:どのように行動を取ればうまく周りを騙せるか考察中 第二行動方針:とりあえずキラ達についていく 第三行動方針:参加者の殺害 最終行動方針:優勝 備考1:武蔵・キラ・マサキ・ソシエ、いずれ殺す気です 備考2:首輪を所持】 【巴武蔵 搭乗機体:RX-78ガンダム(機動戦士ガンダム) パイロット状態:カラ元気でも元気、ダイに対する激しい怒り、VF-22に対する怒り 機体状況:良好・オプションとしてハイパーハンマーを装備・反応弾を所持 現在位置:C-6 第一行動方針:ダイを倒す 第二行動方針:統夜を探しテニアを守る 第三行動方針:信頼できる仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒しゲームを止める 備考1:テニアのことはほとんど警戒していません 備考2:キラと行動を共にする場合は反応弾を彼に任せてもいいと思っています。】 【マサキ・アンドー 搭乗機体:無し パイロット状況:良好、シロとクロも健康 機体状況: 現在位置:C-6 第一行動方針:ダイを倒す 第二行動方針:カミーユに対する疑いを解く 第三行動方針:サイバスターを追いたい 第四行動方針:サイバスターを邪悪な者には渡さない 第五行動方針:味方を集める 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊 備考:謎の小石はクロが銜えています。 地下道はマサキ達が確認できている範囲では一本道です】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:無し パイロット状況:右足を骨折、気力回復 機体状況: 現在位置:C-6 第一行動方針:ダイを倒す 第二行動方針:VF-22を危険視 第三行動方針:新しい機体が欲しい 第四行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す 備考:右足は応急手当済み】 【初日 22 30】 本編110話 広がる波紋
https://w.atwiki.jp/jyumawiki/pages/2691.html
スーパーロボット大戦 攻略 PSP / 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/84.html
戦場の帰趨 ◆ZimMbzaYEY コックピットハッチを開き砂中に埋もれた機体から一人の男が顔を出す。周囲を見渡し敵がいないことを確認すると装甲の確認に入る。 いたるところに銃痕が散らばりあちらこちらにへこみが見えている。資材か何かあれば補強したほうがよさそうな感じではある。 だが先ほどチェックした内部システムと合わせてみて戦闘に問題はなさそうだった。 ただしEN残量には気を配る必要がありそうだ。 パチパチパチ・・・とスイッチが規則的に入り小気味いい音をたてていく。 「システム、異常なし。よし!ブラックゲッター、起動する」 黒いゲッターは再び起動する。その進路は東南東、目的地はG-6基地。 地中から姿をあらわしゲッターは行動を開始した。 「まったく補給ポイントってなどこにあるんだ?」 愚痴をこぼしながらモンシアは南下していた。 仮に補給ポイントを見つけられなくともG-6地区の基地には何かしらの資材がおいてあるだろうとの算段での南下だ。 補給ポイント見つからないこと以外は順調。既にG-5地区まで移動し目の前には大きな川が流れている。 近くには橋も見当たらない。 「やれやれ・・・浅いといいんだがな・・・」 ため息をつくとヘビーアームズは川に入っていった。 E-5地区の橋を渡りF-5地区南東から森林に足を踏み込んだバーニィは川を越えてくるヘビーアームズを目撃する。 背中にヒヤッとしたものを感じたが相手の動きに変化はない。 こちらのレーダーに反応がないことからおそらく相手のレーダーもこちらを捉えてないものと推し量れる。 大丈夫。まだ見つかってない。心を落ち着ける。 仕掛けるか? 先の戦闘と外見からさっするに相手は中・遠距離砲撃戦の機体。こちらは近距離格闘戦中心の機体。加えてさっきは近づくことすらできなかった。 ならばここはやりすごして逃げるか? 敵機の進路方向から推測するに目的地は一緒。おそらく目的も同じ補給だろう。戦闘痕も見て取れる。つまり相手も疲弊しているということだ。 ここでむざむざと相手に補給を譲って次に会うときこちらが不利になる必要はない。 仕掛けるべきか・・・仕掛けぬべきか・・・。仕掛けるべきだろうな――― そう決めると川を渡り終えD-5地区へと向かっていく敵機の尾行を開始した。 ヘビーアームズが周囲の様子をうかがう。汗が頬を伝って滴り落ち、鼓動が早くなる。緊張が体を支配する。目標から・・・目が離せない。 (大丈夫、相手に不自然な動きはない・・・大丈夫) (まだ見つかってない・・・平気だ・・・) 『大丈夫』『平気だ』と相手が周囲を気にするたびに何度も何度も自分に言い聞かせる。 尾行開始から約二十分。すでに森林は抜け二機はG-6基地内へ入り込んでいた。 建物の影に身を潜めレーダーに写らないように距離をとって目標を追っていく。 身をかがめつつ用心深く建物の角を曲がると左前方に開けた土地と小型の箱のような装置が目に入った。補給ポイントだ。 一瞬気を取られたが急いで視線を標的に戻す。しかし、そこにいるはずの標的は姿を消していた。 「あぶねえ。あぶねえ。なんつー索敵範囲の狭さだ」 無数にある建物の陰に身を隠したヘビーアームズの中、モンシアは一人愚痴っていた。いつの間にか後ろにつかれていたことがどうにも気に食わない。 まぁ、それも気づいたからよしとすることにしてモンシアは今後の方針を自問する。 (さてと・・・どうしますかねっと、モンシアさんよぉ・・・) 決まっている。危ないストーカーさんにはご退場いただくのみである。 一度こちらを襲ってきた相手。戦闘開始前に通信をつなげ降伏を促す必要も気もなかった。 一度残弾を確認し相手の様子をうかがう。こちらを見失って若干慌てている様子が見て取れた。 はじめるか―― そう腹をくくった瞬間にはもうホーミングを放っていた。そして、相手の回避行動を見極めてガトリングガンの掃射を浴びせる。 その後も絶えず射撃ポイントを変えこちらの位置を悟られないようにしながら建物の影に隠れた敵を炙りだし誘導していく。 絶え間なくゲッターの装甲は火花を散らす。しかし、そのことごとくは装甲の表面で弾かれていた。その様子を見てモンシアは憎々しげに呟く。 「チッ!予想通りやっかいな装甲だぜ」 遠距離射撃からは致命傷を与えられないことは半ば予想通りだった。 残弾が多ければ話は別だが(戦闘後補給をおこなうことを前提としても)、 いつまでも雨あられと打ち込めない現状相手にそれなりの損傷を与えるためには零距離射撃しかなかった。 そのための接近の手段はもう考えている。 あとは仕掛けるときを待ちつつ敵を追い込むだけだった。 断続的な銃撃にさらされゲッターは翻弄されていた。しかも絶え間なく移動しているのか発射位置の特定も難しい。 しかし、これでいい。敵機は補給ポイントを探していた。それはつまり残弾かENの残量が少ないことを意味している。 補給ポイントを確認した今惜しみなく撃ち込んできている現在なるべく相手の残弾は減らしておきたかった。 それに逃げ回ってりゃそうそう死ぬこともないだろう。 とはいえ相手の技量は高く、決して少なくない量の弾をすでに浴びせられている。いかに強固なゲッターの装甲といえど金属疲労が起こり始めていた。 もう敵の残弾はもう十分に減らしたはずだ。それに前回のガトリングの射線から大雑把に相手の位置も把握できた。 なによりこれ以上食らうのはゲッターといえど危ない。 仕掛ける――― これまでの逃げの姿勢から一転、ゲッターのブーストをフル稼働させバーニィは突撃を開始した。 「ここで突撃だと・・・何考えて・・・。しまった!」 その動きから直感的に相手の意図を読み取ったモンシアもプランを短縮して勝負をかけることを決意する。 ここで出し惜しみしても意味はない。相手がうとうとしている手が決まる前に勝負をつける必要があった。 マイクロミサイルの残弾全てをゲッターの進路に広域散布しさらに残ったホーミング二基も撃ち込む。 ゲッターのレーダーが熱源反応に埋め尽くされる。 異常なほどの量のマイクロミサイルがゲッターとその周囲を破壊していくがゲッターはひるまず最大速度で駆け続けマイクロミサイルの雨を抜けた。 前方に標的を確認。あと200m・・・100m・・・・・・30、20、10、いまだ! 「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 気合と共にトマホークを一閃。補給ポイントを破壊する。あとはこの戦域から一旦離脱するだけだ。 直後、警報がコックピット内に響き渡る。熱源反応が三つ、何かが背後から迫ってくる。 背中に悪寒が走る。ホーミングが爆煙を裂いてあらわれた。振り返りざま一基目をトマホークで切り払い続いて飛来する二基目を強引にかわす。 そして、その直後を狙って三基目の熱源―――ヘビーアームズの胸部ガトリングとダブルガトリングガンが至近距離で一斉に火を噴く。 その直撃を受けたゲッターは完全にバランスを崩され仰向けにひっくり返る形で地に崩れ落ちた。 「クソッ!まだ・・・」 「いや、チェックメイトだ。坊主、変な気起こすなよ。いくら固くてもコックピットを直に撃たれりゃ話は別だろ?」 オープンチャンネルをかいしてここで始めて通信が入る。 起き上がろうとしたゲッターの鼻先に銃口が突きつけられ、胸部からその姿を覗かせているガトリングはゲッターの胴体を狙っていた。 全身から嫌な汗が一斉に吹きだしてくる。動いたら撃たれる。その恐怖がかろうじて気が動転しそうになるのをおさえつけていた。 勝敗は決した。 今回、ベルナルド・モンシアがたてていた作戦は第一段階で敵を撒き姿を隠し、第二段階で敵を補給ポイントから離れるように誘導。 続く第三段階でマイクロミサイルを広域散布。第二段階の誘導はこのとき補給ポイントに損害を与えないためである。 そして最終段階で先ほどのマイクロミサイルと弾速を調整したホーミングの爆煙と熱源反応を隠れ蓑に接近、 至近距離からの射撃で相手をしとめるというものであった。 対してバーナード・ワイズマンの策は第一段階でなるべく相手の残弾を削り、第二段階で補給ポイントを破壊。 第三段階でそのまま一時離脱しその後交戦と離脱を繰り返し相手を消耗させるというものである。 結果的にはモンシアは補給ポイントに急速接近をし始めたバーニィを確認して第二段階を切り上げ最終段階に移行。 バーニィを取り押さえるも補給ポイントは破壊されていしまうということとなった。両者の思惑の完遂率は共に50%といったところだろうか・・・。 そして現在、モンシアはゲッターを片足で踏みつけ銃口を鼻先に突きつけている。その状態のまま残弾チェックをおこなっていた。 「クソッ!・・・まったく憎々しい小僧だぜ」 「・・・・・・どういうつもりだ?なぜ撃たない?」 「気は落ち着いたようだな・・・。何、ちょいと情報収集したいだけだ。遺言ぐらいは聞いてやるぜ」 ここからは情報収集の時間だった。 「そうだな・・・。まずは所属と姓名から名乗ってもらおうか・・・」 「・・・・・・」 「どうした?別に俺はこのままさようならでもいいんだがな・・・」 「・・・ジオン軍サイクロプス隊所属・・・バーナード・ワイズマン伍長」 (ジオン・・・デラーズ・フリートの連中か・・・) 「サイクロプス隊?聞いたことねぇな・・・ここに連れてこられた経緯は?」 「わからない。ガンダムとの交戦中から意識が途切れ・・・気づいたらここにいた」 その後、暫くの間ここで遭遇した他の機体の情報、首輪や主催者についてなどいくつかの質問をうけバーニィそれに答えていった。 「ハンマー持ちの赤い機体か・・・」 (わざわざこいつを生かしておくってことはゲームに乗った連中じゃなさそうだな・・・) そして暫くの沈黙の後モンシアの口がひらく 「何か言い残すことはあるか?」 「・・・サイド6に・・・ジオンによる核攻撃があったかどうか教えてく・・・・・・」 「サイド6?おいおい、あそこは中立コロニーだろ?お前さんに何の関係が・・・」 「頼む・・・教えてくれ・・・」 相手の様子に眉をひそめるも自身の記憶を思い返してみる。そういえば一年戦争の末期にそんな作戦があったというのを軍のデータで見た気がする。 たしか――― 「俺の記憶に残っているかぎりだが、そのジオンの作戦は失敗に終わったはずだ」 通信機越しに相手が安堵のため息を吐くのが聞こえてきた。 「ありがとう・・・」 「さて、そろそろ・・・」 唐突に現実に引き戻され忘れかけていた自身の状況を思い出す。奥歯が噛み合わず音をたてる。 「さよならだ」 (これで終わりなのか?いや、まだだ。まだ俺は全てのカードを切ったわけじゃない!!) 最後の引き金がひかれる瞬間、バーニィは無我夢中でゲッターを動かす。そしてあらん限りの声を振り絞り叫んだ。 「ゲッタアアァァァビイイイィィィィィィム!!」 銃弾と閃光が交錯しあたりに爆音が響き渡る。 弾丸は障害物に当たり火花を散らし、ゲッタービームは進路を阻むもの全てを抉り取りまっすぐ大空へ伸びていった。 G-6基地の廃墟と化した一角に一機の人型機動兵器が別の一機を見下ろしただずんでいる。 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハ・・・ハハ・・・やった。やったぞ!」 そのパイロットの息は荒く呼吸は落ち着かない。 一度相手の機体を確認する。右半身が吹き飛んでいる。動いていない。動くはずがない。 自然に笑いがこみあげてきた。強敵を打ち倒した充実感と高揚感に体が満たされる。 ついで機体のチェックを始める。山ほど撃ち込まれたせいか損傷がひどい。 なかでも頭部は最後の一撃で前面の右側にヒビが生じている。一度しっかりと整備をするべきだ。 ふと気づくと体の興奮は既に冷めていた。もう一度相手を見やる。 決意を固め参加者を殺すことに迷いはない。 しかし、いざ人を殺して見るとやはり心のどこかに割り切れないものがあるのを感じる。こればっかりは慣れるしかなかった。 「戦場なんだ・・仕方ないだろ・・・。誰だってやらなきゃならないと思ったことをするだけなんだ・・・」 言い訳をするように呟くとゲッターは沈黙した敵機からピエロの仮面を剥ぎ取りヒビの入った箇所にあてがうと背を向け整備可能な場所を探しに歩き出した。 「詰めが・・・甘いな・・・」 大破したヘビーアームズのコックピットの中モンシアは生きていた。 しかし、その体から血が溢れ出し滴り落ちシートを瞬く間に染め上げていく。 (不死身の第四小隊が・・聞いて・・・あきれるぜ・・・) どれほどの傷なのか。だがまだ死んではいない。死んでいなければ闘えるということだ。 傷口の周辺を縛り上げ止血をおこなう。 (まったく・・詰めが甘い・・・やつも・・・・・俺も・・・な・・・) ふっと、目の前の光景が遠のいていくような感じにモンシアは襲われた。 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争) 搭乗機体:ブラックゲッター(真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日) パイロット状況:頭部に軽い傷 現在位置:G-6基地 機体状態:装甲に多数のへこみ 戦闘に若干の支障(整備をおこなえば問題はない) マント損失 、エネルギーを3/4程度消費 第一行動方針:機体の整備をおこなう 第二行動方針:ゲッターを使いこなす 最終行動方針:優勝する 備考:頭部に生じているヒビをヘビーアームズのピエロの仮面で隠している】 【ベルナルド・モンシア (機動戦士ガンダム0083 Stardust Memory) 搭乗機体:ガンダムヘビーアームズ改(新機動世紀ガンダムW~Endless Waltz~) パイロット状態:気絶中 負傷(負傷の度合いに関しては次の書き手の方にお任せします) 現在位置:G-6基地 機体状態:大破(運用不能) 第一行動方針:傷口の手当て 第二行動方針:機体を手に入れる 最終行動方針:???】 【初日 17 40】 BACK NEXT 薄氷の同盟 投下順 混乱 『歌』に振り回される人達 時系列順 血に飢えた獣達の晩餐 BACK 登場キャラ NEXT 楽勝! バーニィ 煮えきらぬ者 閃光 モンシア ゲスト集いて宴は始まる
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/253.html
命の残り火 ◆7vhi1CrLM6 静寂の朝もやを排気音が掻き消した。 まだ低い朝陽に照らし出された街並みを巨大な影で塗りつぶしながら進む戦艦ナデシコ。 その指揮所にシャギアは駆け込んだ。オペレーター席で振り向いた比瑪と目が合い、一拍遅れて甲児も駆け込んでくる。 弾む息を押し殺し極めて冷静に声を出した。 「状況は?」 「八時の方角に何かを捉えたわ。加工拡大したものがこれ」 答えつつ比瑪がパネルを叩くとモニターに閃光が映し出される。 小指の先ほどにしか見えないそれが拡大されはっきりとした輪郭を伴っていく。 「機体だな。それにしてもこの速度は……」 「シャギアさん、こっちにもう一機いるぜ」 甲児が指差すそこに目を向ける。確かにそこにもう一機いた。白銀の機体。 高速で駆け抜ける機体とその先にいる機体。それが意味する状況は―― 「詳細は分からないが戦闘だな……待てッ!! 甲児くん!!!」 「わりぃ、シャギアさん。ナデシコはそのまま決めたとこまで行ってくれ!」 言うが早いか飛び出していく甲児。そのまま振り返ることなく指揮所を後にする。 だが、ナデシコは積極的な接触は避けると決めたばかりなのだ。頭が痛い。 「どちらが敵かも分かっていないと言うのに……」 いや、それどころか両方ともこの殺し合いに興じる人間という可能性すらある。 どうする? ここで甲児を見捨てていくのは容易い。だが、それをすれば……。 悩むシャギアの視界を甲板から発進した緑のモビルスーツが横切っていく。 「でも、追いかけるんでしょ?」 振り向いた比瑪と目が合い、その顔がにっと笑う。 頭を抱えつつも溜息と共に返事を吐き出した。 「もちろんだ」 ここで甲児を見捨てれば宇都宮比瑪の信頼を失うだろう。下手すれば手駒が一つもなくなるということだ。 それは早い。 オルバとテニアがいれば任せるところだが、今この場に二人はいない。 戦力の消耗は避けたいとはいえ、余計な諍いを避けようと思えば答えは決まっているのだ。 「私も出る。ヴァイクランで先行させて貰おう。ナデシコは微速前進」 ボソンジャンプについては説明おばさんが懇切丁寧に教えてくれた。 脱出の鍵となるのは、A級ジャンパーとチューリップクリスタル、そしてディストーションフィールド。 その一つを万が一にも失うわけにはいかない。 首を傾げた比瑪に「少々考えがある」と言い残して指揮所を後にした。 そして、歩を早める。戦闘への介入を決めた以上、それは実りあるものにしなければならないのだ。 どれだけ被害なく場を収めるか、それがこのときシャギアに課せられた課題だった。 ◆ 明けの空、誰もいない空虚の街で追いかけっこは続いていた。 本来ならば車が行き交うであろう大通りを白銀の巨体が駆け抜け、一拍遅れて紺碧の騎士が後を追う。 距離が縮まらない。いや、それどころか離されて行く。 真ゲッター2とヴァイサーガ。大型機ながらも奇しくも共にその早さこそを最強の武器とする機体。 だが、真ゲッター2のほうが早い。追いつけない。 それに耳鳴りが止まない。何でだろうか? 頭がくらくらする。 どうする? このままでは埒があかない。逃げられる。 一度退いて体勢を立て直すべきか? いや、それでは仕掛けた意味がない。 追いつけるか、と問われればその答えはYESだった。 ヴァイサーガ最大の攻撃『光刃閃』、その本質は居合いではない。 『光刃閃』のコード入力と同時にリミッターを解除される要素。すなわち風を超え光とも比肩しうるその速力こそが『光刃閃』の本質。 それを使えば追いつき一撃を加えることは難しくはない。 いや、使いこなせさえすれば一撃といわず、乱撃を加えることすら可能であろう。 だが、それには問題がある。 そもそも何故リミッター等と言う物がかけられているのか? 答えは単純だ。乗り手の体がついていかないのだ。 ヴァイサーガーの最高速から生み出される強大なG。それに並の人間の体はついていかない。 まず間違いなくブラックアウトする。 本来の乗り手であるアクセル=アルマーとラミア=ラヴレス、その二人ですら一定の経験を得るまで光刃閃が封印されていた。 そのことを鑑みれば、ここまで三度の光刃閃に耐えて見せている紫雲統夜の資質は高いのだろう。 いや、間違いなく高いといえる。 だが、彼は戦場に出て間もない。訓練を受けた普通のパイロットですらないただの一般人。 つまり、統夜ほどの資質をもってしても体がもたないということになる。 追いかけている敵が白くなる。視界が狭まる。頭がぼっとして思考が白に塗りつぶされていく。 ふとした瞬間に意識が跳びかけ、頭を振って叩き起こした。 長くは戦えない。それを感じ取った。頭に伸ばした腕が髪をくしゃりと掴む。 「何をやってんだ、俺はッ!! 戦うと決めて、でも決心がつかなくて、やることなすことあべこべで。 でも、それでも何を犠牲にしてでも生き残るって決心を固めたばかりじゃないかッ! なのに……今度は、今度は体が俺を裏切るのかよッ!! こんなので……こんなことで生き残れるはずないじゃないか……」 情けなかった。決意も、やけばちで身に着けてきた技術も、体も何もかもが中途半端。 自分に嫌気がさす。情けなさ過ぎる。 でもだからこそ、だ。だからこそ、ここは引き下がれない。 ここで引き下がれば自分は本当に中途半端になってしまう。そして、中途半端なまま死んでいく。そんな気がしていた。 ――だって、このままでは不甲斐なさ過ぎるじゃないかッ!! 引き出していたテンキーを叩く。体に無理が着始めている。 そんなことは百も承知。 多少の無理がなんだ。 男の子だ。男なのだ。自分が弱いとは思いたくない。認めたくない。 自分はやれば出来るのだと信じたい。 コードの入力が完了する。深呼吸を大きく小さく、そして大きく。鼻腔に嫌な臭いが突き抜けた。 それを無視して、ジリジリと引き離していく敵機を睨みつける。 視界に映るのは白銀に光る大型機。そして、それが駆け抜けた衝撃で砕け、光を反射しながら雪のように舞い散るガラスの欠片たち。 その中をヴァイサーガは一筋の閃光のように駆け抜けた。 ◇ 「ジョナサン」 「わかっている」 通信が一つ。画面越しのクインシィが何か言いたそうな顔をしていた。それを制す。 そう。わかっている。追いかけてくる敵機の挙動が妙だった。 しつこく追い回しているにしては、距離は開き続けている。詰まる様子は今の所ない。 かと言って遠距離攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、ただ追い回しているのだ。 追いつけない。それはもう分かったはずだ。なら無駄な労力を払う前に引き下がるのが普通だ。 だが、その気配は見られない。ということは、だ。 「こちらの油断を誘っている、ということか……」 「あるいはこの先に罠をはっているということもありうる」 「距離はいつでも潰せると見ておいたほうがいいな。最初の一撃か?」 「ああ、どちらにせよそろそろ仕掛けてくる頃合だ」 矢継ぎ早に繰り返される会話。それが現状を分析し、丸裸にしていく。 二人の思考と結論はほぼ一致していた。ゆえに、話が早い。 会話を続けながら注意深く背後を探っていたクインシィ。その口が開く。 「来る。迅いぞッ!!」 「避けてみせよやッ!!」 確かに迅い。意表を衝かれれば無事にはすまないだろう。 だが、若いな。そう思い笑った。 最高の武器が最適な武器とは限らない。それを知らない若さだ。唯一つの武器を盲信している。 見せすぎだ。その攻撃は二度目。これで二度目なのだ。そして、意表は衝かれていない。 だから簡単にかわせる。 「オープンゲットッッ!!」 タイミングを見計らいジョナサンは叫びレバーを入れる。 真ゲッターが赤・白・黄、三色のゲットマシンに分かれ、空いた空間に閃光が飛び込んだ。 その挙動を鼻で笑う。後は再び合体し、別の方向に逃げるだけだ。 0.01秒にも満たない一瞬の逡巡。しかしそれを怖気が遮る。 まずい。直感的にそれを感じ取った。 見せすぎだ。オープンゲットは三度目。これで三度目なのだ。そして、それは敵機の想定内。 だから簡単に捉えられる。 次の瞬間、一機のゲットマシンを五大剣の刃が襲い、貫いた。 ◇ 剣先に戦闘機を串刺しにしたまま、勢いを殺しきれなかったヴァイサーガはビルを二つ貫いてようやくその動きを止めた。 息が荒かった。視界が白黒している。 機体を起き上がるように操作して、その動きに酔いが回った。口元を両手で押さえて吐き気を抑える。 読みは当たった。余裕のない状態での回避にはあの分離機構を使う、それは正解だった。 暴れる機体を押さえ込み急制動をかけて戦闘機を一機串刺しにしたのだ。 確率は三分の一。上々だ。 だが、その動きは光刃閃のリミッターを解除したままで行なわれていた。体の無理は加速度的に上昇している。 呼吸を落ち着かせ、汚れた口元を拭う。拭った手の甲が真っ赤に染まった。 「……鼻血?」 どろりと粘性を帯びた血が鼻から垂れ下がっていた。どこかの血管がやられたらしい。 大丈夫なのか? そんな疑問を挟みながら鼻に詰め物をする。 上を向いて深呼吸を一回。気持ちを切り替えると、串刺しの戦闘機を足蹴にして剣から手を離した。 クナイ状の小さな刃――烈火刃を二本取り出す。 見上げる上空には旋回を続ける戦闘機が二機。ダイヤルを回しオープンチャンネルを開ける。 「二人……いたのか」 男の名前を呼ぶ女の声が聞こえてきた。 足元の戦闘機にジョナサンとかいう男が乗っていた、そういうことだろう。 そして、まだ敵は残っているということだ。上空の二機は無人ではないということだ。 狙いをつけ、烈火刃を投げる。 「あっちか」 一本はひらりとかわされ、一本は命中。その挙動で乗り手のいる戦闘機に当たりをつけた。 避けたのは赤い戦闘機。そこに敵はいる。 足元の白い戦闘機から剣を引き抜き構える。 光刃閃は、今は使いたくなかった。戦闘機相手に必要とも思えない。 柄を握る手に力を込め、ヴァイサーガは赤い戦闘機に止めを刺すべく空に駆け上がった。 そして、その眼前に何かが放り出される。 ――……? 箱?? まずいッッ!!! 距離が近い。完全にかわしきる事は不可能。それでも統夜の直感に従いヴァイサーガは回避を試みる。 箱のような立方体。その表面でプラズマが奔ったかと思った瞬間、爆ぜた。 閃光と雷光が入り乱れ、雷鳴が鳴り響く。 視界が白に塗りつぶされる。ヴァイサーガの回路がショートし、機能が麻痺していく。 そして光が収まったとき、ぐらりと揺れたヴァイサーガは自由落下を始めた。 空が遠ざかる。落ちる。落ちていく。 それが本能的な恐怖を与え、統夜は叫んだ。 「動け! 動くんだ!! 動けっていてるだろッッ!!!」 コックピット内部の端末をしっちゃかめっちゃかに弄り回し、声の限り叫ぶ。 しかし、ヴァイサーガは動かない。 機体的な損傷は殆んどない。だからこの程度の問題からはすぐに回復できる。 だが、それでも回復よりも落下のほうが早い。ヴァイサーガは瓦礫の街並みに落ち、アスファルトの道路に激突した。 ◇ 何が起こったのか分からなかった。 敵機がこちらに狙いを定め、突撃してきた。そこまでは分かる。 迎え撃つ。そういう気概で身構えたときに、箱のようなものが割り込んできた。 それが閃光を撒き散らしながら爆ぜ、気づくと敵機は落下していたのだ。 あの箱は一体なんだ? 「お姉さん、ごめん。遅くなった!」 「ガロードか」 思考を遮る通信が一つ。声を聞いた途端に返していた。 南の空に朝焼けの色をした機体が浮かんでいる。通信はそれからだった。 機体が変わっている。それが気になったがそれより―― 「お前は今までどこをほっつき歩いていた! 私はずっとお前を探していたのだぞ!!」 思わず叱り付けていた。次から次へと愚痴が込み上げてくる。 それにガロードは「ごめん。ごめん。お姉さん、ごめんって」と防戦一方だ。 雷が頭上を通り過ぎるのを待つ算段なのだろう。小賢しい。子供っぽい小賢しさだ。 不意に視界の隅で何かが動いた気がした。 次の瞬間、黒騎士をクインシィの眼前を音もなくすり抜け、ガロードに切りかかる。 「ガロード!!」 クインシィの叫び声と剣が振り下ろされたのはほぼ同時だった。 しかし、ガロードは予想外にも鋭敏な反応をみせ、敵機の腕を受け止めることで攻撃を防いでいる。 「大丈夫だって。お姉さんはジョナサンを。ここは俺が引き受ける」 「しかし、私はまだ戦える。イーグル号も頑張ればなんとかなる子だ」 「そりゃお姉さんが使えばなんとかなるのかもしれないけど、ここは任せろって」 「ガロード!」 「お姉さん!! 大丈夫。大丈夫だって、ちょっとは俺を信用しなよ……」 視線が絡み合った。そして、僅かに気圧された。それを押し返そうとして辞めた。 強い光を放っていたガロードの目が一瞬情けなさそうに揺れたのだ。 「……信用」 ぽつりと呟く。一拍おいて唇を食いしばり、クインシィは決めた。 「本当に大丈夫なのだな?」 「心配性だな、お姉さんは。大丈夫」 「ガロード、任せた」 イーグル号が高度を落とし、ジャガー号の元へと向かう。 ガロードが返した「了解、と」という声を背中越しに聞こえてきた。 ◇ クインシィがジョナサンの元へ向かうのを確認して、ガロードはほっと息をついた。 その瞬間、五分に組み合っていたストレーガが蹴り飛ばされ距離が開く。その距離を利用して黒い大型機が踏み込んでくる。 「うわッ! ちょ、ちょっと、タンマ!! タンマ!!!」 剣戟を受け止めながら叫んだ。が、当然それで攻撃がやむことはない。 乱れ飛ぶ刃がストレーガの装甲を削っていく。だがしかし、厚い。乱撃で断ち割られるほど柔ではない。 「待ってくれって頼んでるのに……鬼か、あんたはッ!!」 だからその乱撃を物ともせずに前に出る。 距離が詰まり懐へ。 そこは剣の距離ではない。拳の、殴り合いの距離。敵機の半分程度の大きさしかないストレーガの距離だ。 そして、渾身の力で殴り飛ばした。 濁音の混ざった金属音。剣で受けた敵が踏みとどまりきれずに30mほど押しやられる。 南極で発見された謎の遺跡に関わる研究者リ・テクノロジストの一人クリフォード=ガイギャックス。通称ドクトル・クリフ。 彼が遺跡の技術を参考にしたものを積み込み作成した四機の機体の中で、この『魔女』の名を関する機体の出力は一際大きい。 それはガナドゥールと同じく始めから戦闘用に作られたがゆえであるが、その特性は違っていた。 ガナドゥールはその突撃力と自律兵器による対応力に長けている。 それに対してストレーガが長けているのは、装甲の厚さと単純な機体自体の攻撃力。 突進力も突破力もない鈍重な機体だが、足を止めての殴り合いではその強固さと出力ゆえに無類の強さを発揮する。 だから、そのストレーガの渾身の一撃はただの拳であったにも関わらず流れを断ち切るには十分だった。 30mの距離が40、50と開いていき、対峙の状態を保ったまま膠着を起こす。 「なんだよ……なんなんだよ、お前らは」 苛立ちが通信に乗って飛んできた。 若い男の声。年は自分よりも少し上といったところだろうか。 「それはこっちが聞きたいね。何だって俺達を襲うんだい?」 無言が衝立になって返ってくる。空気がまるで油のような粘性を持ったかのように重い。 そのまま五秒十秒とときが流れ、ようやく重い口が開く。 「……生き残るために仕方がないんだ。一人しか生き残れないんだ。 お前を見てるといらつく。無駄だろ? 仲間なんて庇ってもどうせ死ぬんだ。 いずれ殺さなきゃいけないんだ。無駄だってなんで分からない……」 その響きはどこか自分に言い聞かせているような音色を含んでいた。 対してガロードの声はどこか陽気だ。 「そんなの分からないじゃないか。あの化け物を倒せば皆で生きて出られるかもしれないんだ」 「分かるよ。そんなのは無理だ。都合のいい言い訳さ。お前は楽なほうに逃げてるだけなんだよ。 自分の為に人を殺すのが嫌だから、他人を守るために人を殺そうとしてる。そのほうが気が楽なんだろ?」 「何でそんな考え方しか出来ないのさッ! みんなで頑張ればどうにかなる。どうしてそう思えないんだよ」 「思えるわけがないだろ! たった一日で半数以上が死んでるんだぞ!! 出来るなら俺もそうしたいさッ!!! でも、誰があんな化け物に勝てる! 一人しか生き残れないここで誰を信じることが出来る!! お前の言っていることは夢見る子供の理想論なんだよ!!!」 「そんなのわかんないよ……わかんないよ、あんたの言っていることは!」 不意に敵機が動いた。その動きはストレーガよりも遥かに素早い。 右回りに回りこむ軌道を取りながらクナイのようなものを投げ出される。装甲に突き刺さった。 だが浅い。気にかける攻撃ではない。そう思ったときにそれが発火し、爆発した。瞬間的に炎と爆煙がカメラを潰す。 だがそれを気にかけている暇はなかった。 「この分からず屋がッ!!!」 痛烈な剣戟が叩き込まれる。それを両手の甲で受け止めるストレーガ。 一拍後には前進を行い距離を潰そうと試みる。その瞬間に圧力は消え、胴を薙ぎ払いながらのステップバック。 装甲と刃の間で火花が散る。が、しかし浅い。だから詰め寄り、拳に力を込めた。 「そっちだろ! 分からず屋はッ!!!」 ◇ 俺は何をやっている? 心底そう思った。 決めたはずだ。 敵が複数なら一体を仕留めた後即離脱と。 姿を見られても構わないと。 生き残るのが一番だと。 機体が復旧したら最初にするべきことは斬りかかることじゃないだろ? 一機はもう仕留めた。だったらここは離脱だろッ!!! そう思いつつも足は動かず、乱入してきた橙色の機体と戦闘を続けている。 何だか知らないが、気持ちがささくれ立っていた。 オープンチャンネルを通じて伝わってきた言葉が、仲間の身を案じる言葉が、気に入らない。 身を挺して仲間を庇うその姿が気に入らない。 「クソッ! クソッ! クソッ! クソッ! なんなんだよ、お前はッ!!」 剣を振り下ろす。拳で受け止められ、真っ向から押し合う。 力勝負。 だが押された。全長40mを越えるヴァイサーガが僅か20mそこそこの敵機に力負けしていた。 それでも押し返そうと力を込めた瞬間、空いている拳で腹を殴り飛ばされてヴァイサーガが後退していく。 腕が一本足りない。まだ完全には復旧を遂げていないのか、動きもやや鈍い。 唇を噛み締める。 悩んで、苦しんで、でも一人でも生き抜こうと決めて、それでも割り切れずに苦しむ自分。 そんな自分がまるで悪役みたいじゃないか。これじゃ道化じゃないか。 納得がいかない。不公平だ。 俺はこんなに苦しいのに……お前はそんなに楽しそうで。 俺を殺してでも生き残ろうとしてるくせに仲間を守ろうとして。 楽をして、思い悩むこともなく、奇麗事ばかり口にして、それでいて何もかもを得ようとしている。 許せない。 許せるものか。 そんな我侭、許せるものか。 歯茎に血が滲むほど歯を食いしばり、殺意が牙を剥く。 迫る橙色の拳を弾き上げ、一旦距離を置いたヴァイサーガが空高く舞い上がる。 「死ねよ。死んじゃえよ……お前なんか、死んじゃえよッッ!!」 悪意を乗せた刃が空気を掻き乱す。その乱れ飛ぶ刃は風を呼び、竜巻を生じさせた。 そして、その渦の中心を刃を突き出し一陣の風となったヴァイサーガが吹き抜ける。 鮮やかだ。 瞳の中、大きくなっていく敵の姿。 その装甲の橙色が鮮やかだった。 刃が突き立つ。 衝撃で大地が陥没し、クレーターのような跡が発生する。 少し外したか? 肩を貫いた剣を見てそう思った。 だが、問題ない。 衝撃で気を失ったのか、敵機に動きは見られないのだ。 後はコックピットを貫きなおしてやればいい。 ゆっくりと。 じっくりと。 正確に。 笑いが込み上げる。 見ろよ。 正しいのは俺だ。 お前じゃない。 死ぬんだ。 死ぬんだよ。 皆、死んじゃうんだよ。 そうさ。仲間なんて気にかけてたら―― 「……生き残れないんだよ。俺も、お前も」 何故か落胆している自分がいる。そんな気がした。 溜息を一つ。気を取りなおして敵機を足蹴にして剣を引き抜こうとしたその瞬間―― 「なッ!!」 ――風がやんだ。 周囲で吹き荒み渦を為していた風が跡形もなく消え去っている。 今の状態は凪。すなわち無風。 信じられずに周囲を見回す。その上空で白銀の物体が煌めいた。 咄嗟に飛び退く。瞬間、飛び退いたその場が削られ穴が空いた。 さっきまで自分のいた場所。そこで白い巨体がゆらりと起き上がる。片手の大きなドリルが特徴的な機体。 見えなかった。突撃してきたその機体の姿が全く見えなかった。それほどの早さだった。 逃げるべきだ。そう思った。 危険な香りがする。ここは逃げて体勢を立て直すべきだ。 だが、それよりも倒したはずの機体が動いている。殺したはずの敵機が生きている。 そのことが勘に障り、神経を逆なでにする。 気に入らない。気に入らない。気に入らない。 そうやって仲間を庇うお前らも、殺し合いを強要するこの世界も、何もかもが気に入らない。 今、生きているお前もだ。 「駄目だろ……お前は死んでなきゃ」 逃げるべきときを見失い統夜が呟く。ヴァイサーガが悪意を乗せて構える。 泥沼に足を踏み込み始めているその身を、彼はまだ自覚していなかった。 ◆ 遠目からはそれは巨大な手鞠のように見えた。 何かが高速で駆け抜ける様が、まるで白い帯のように目には映っている。 一瞬後には消え去る残像に過ぎないそれが幾重にも重なり合って球を為し、柄を為す。 どれほどの速度で駆け抜ければそのような現象が起こるのか。シャギアは思わず息を呑んだ。 だが、それは手鞠などという典雅なモノではない。 そこは暴風圏。言うなれば玉の嵐。足を踏み入れるものを削り取り無に帰す空間。 仕掛けている側も既に敵味方を識別できる状況ではないのだろう。ビルが、道路が、街が、そこに触れたもの全てが削り取られていっている。 たいしたものだ。そう思った。 その暴風圏の中、玉の嵐の中にいてただ一つ抗い、存在し続ける機体が見える。 弾かれ、翻弄されてお手玉のように宙を舞いながらも辛うじてその手に持つ剣で防ぎ、致命傷を避け続けている。 それだけでパイロットの資質の高さが窺えた。 恐らくは見えているのだろう。目がいい。勘も悪くない。だが、時間の問題だ。 守っている方も、攻めている方もだ。 そう結論付けると、シャギアは視線を動かし別の機体をその視野に納めた。 今、向かっているのは玉の嵐にではない。 そこで争う二機の状況は掴めても、どちらが敵で味方なのか、あるいは両方敵なのかは掴めない。 だから、地に落ち倒れている橙色の機体へとシャギアは通信を繋げた。 「そこの機体、聞こえているか? こちらは……」 「その声!」 「なんと、ガロード=ランか」 「何をしに来た? まさか、助けに来た、とかいうんじゃないだろうな」 驚きを禁じえなかった。把握していない生き残りにまさかこの少年がいようとは思っていなかったのだ。 動揺を押し隠す為に間をとる。そして、その間を使って観察の目をガロードの機体へと走らせた。 右肩が貫かれているのが見える。だが、それ以外に目立った損傷はなし。 こちらを私だと確認してなお構えすら取らないのは一時的に機能障害を起こしていると見るべきか。 「そのまさかだな。ガロード、お前の仲間は白と黒どちらだ?」 「……信用してもいいのか?」 「好きに受け取ればいい。だが、勘違いするな。ガロード=ラン、ティファ=アディール。 貴様らを殺すのは私達でなくてはならんのでな」 モニター越しに視線がぶつかり合う。いくらかの逡巡を得たのだろう。 ややあって「白いほうだ」と言葉が返ってきた。 交戦を続ける二機に視線を向ける。先ほどと変わらぬ攻防がそこでは続いていた。 ヴァイクランの性能を持ってすれば、あの速度に割って入ることはまるっきりの不可能ではない。 だが、覚悟はいる。自らが痛手を負うだけの覚悟が、だ。 そして、その覚悟はシャギアにはない。あの中に割って入ろうなどという考えはシャギアには皆無だった。 とはいえ、モノはやりようだな。 通信を兜甲児へ。 玉の嵐へ近づきながらもあまりの速度差に手を出しかねている緑の機体――旧ザク。それがこちらを振り返った。 「甲児くん、ペガスを使いたい。そのためにナデシコまで一時後退を頼む」 「シャギアさん、どういうことなんだい?」 「私に考えがある。任せてもらえないか? プランは今送る」 「わかった」 僅かな逡巡も得ずに実にあっさりと甲児が了承の返事を送ってきた。 信頼もあるのだろうが、この思い切りのよさがこの男の武器なのかもしれない。 そう思った。 僅かに微笑んだのも一瞬、すぐに引き締まったシャギアの顔が上空を見上げる。 手は打った。 だが、無茶な動きだ。あれほどの高速。中のパイロットもただではすまないだろう。 だから、こちらの準備が完了するのが早いか、パイロットが潰れるのが早いか、それは賭けだった。 ◇ 通信機の向うでクインシィが喚いている。 何を言っているのかは聞き取れなかった。もう耳が遠い。視界もぼやけている。 時間が余りない。それが嫌でも自覚できた。 頭の中が白い。余り深いことは考えられないようになってきている。 その代わりなのだろうか。やけに昔のことばかりが頭に蘇ってきていた。 そうだな……そうだ。あのときもママンはこなかった。 8歳と9歳と10歳の時と、12歳と13歳の時もだ。僕はずっと待ってたのに。 ……俺はあの女のようにはならない。 男と女の愛情なんかより、遺伝子の方を信じてたあんたのようになどなるものか。 俺はクインシィ=イッサーをものにして、オルファンの頂に立ってみせる。 その為にもクインシィにはオルファンの玉座にいてもらわねば困るのだ。 他の何を犠牲にしようとも俺はクインシィをオルファンの元へ返す。 一度までなら俺の命すら捧げてやる。事が済んだ後、生き返られればそれでいい。 だがその為には、自分に代わってクインシィを守り抜く存在が必要不可欠だった。 ガロード=ラン、貴様を信用してやる。 この少年に託さねばならないのは癪だった。気に入らない。気に食わない。 だが、それでも託さねばならない。 通信を繋げ、言葉を発しようとして妙な音が鳴り、咽返った。喘ぐ。 血と痰の入り混じったものが、口から垂れて落ちた。 息をするたびに、空気を吸い込むたびに、針でも吸い込んだのかってくらい胸が痛かった。 棘が肺に突き刺さる。 「ガロード=ラン」 返事のあるか無しかはどうでも良かった。どうせもう自分の耳には届かない。 ただ一言、聞いてくれていればそれでよかった。 長い言葉を伝える余力はない。例え短くても多くを伝えられる言葉――それを探した。 「頼む」 出たのは陳腐な言葉。だが、これしかないと思った。 何を頼まれたのかは勝手に奴が思い悩めばいい。その中にクインシィのことも含まれるはずだ。 身を粉にしてクインシィの為に尽くし、最後には死んでゆけ。 傷が深い。 ジャガー号を貫いた剣こそその身を避けていたもののコックピットは半壊していた。 その影響で内部に張り出してきたフレームが胸板を貫いている。 何故これで生きていられる、とは思わなかった。思った瞬間に死ぬような気がしていた。 いや、とっくに死んでいるのだろう。 命の火種はもう尽きている。 燃え尽きたはずの命、その残り火だけで今は動いている。そんな気がした。 血に濡れた口元が笑う。そして、叫んだ。 上げた雄叫びは音にもならず空気を揺らさない。しかし、そのとき確かに雄叫びは上がったのだ。 徐々に狭まっていた視界が戻る。やけに鮮明だった。 視界の隅が敵を捉える。 静かに睨みつけ、ジョナサンは最後の突撃を始めた。 真ゲッター2のノズルが火を吹き、巨大な光をその背に背負う。 鈍間だな。 なんて鈍さだ。 敵の動きは止まって見えた。 何故この程度の敵にこうまで手こずったのか。 まぁ、それももういい。 ここでお前の命は貰っていく。 今ある脅威、それは取り除かねばならない。 嫌だな。ジョナサンは思った。 嫌だ嫌だ。ああ、嫌だ。 あんな小僧を生かすために頑張るなんて柄じゃない。冗談じゃない。 やるべきことはまだ多く残っている。 自分の仕事はまだ終わりではないのだ。 気に入らない。気に食わない。 だが、それでも自分の後を任せられるのは、今奴しかいない。 クインシィを守るという一点に関しては、信用できた。 腕が消えた気がした。足もだ。 体が消えていく。 視界が狭い。 待ってくれ、もう少しだ。そう思った。 もう少しで、目の前の脅威を取り除くことが出来る。 既に手を伸ばせば届くほどに敵は近い。 敵は鈍間だ。 一撃で片がつく。 後一秒。いや半秒でいい。俺に時間をくれ。 このままでは女王のバロンとして示しがつかないではないか。 ジョナサンは思った。 ああ、嫌だ嫌だ。嫌だなぁ。 ◇ 何が起こったのか皆目検討がつかなかった。 敵影が消えたと思う間もなかった。 油断しているつもりは微塵もなかった。一瞬でも気を抜けば落とされるという状況で神経を張り詰めていたのだ。 だが、気づいたときには既に機体は重い衝撃に揺れ、跳ね飛ばされていた。 世界が回っている。堕ちているのではない。 錐揉み回転をしながらヴァイサーガが中空を滑る。そう空気圧の上で滑るほどの勢いで吹き飛んだのだ。 程なくビルに叩きつけられ、ヴァイサーガの動きは止まった。 跳びそうになる意識を繋ぎとめ、呼び戻す。視界が開けた瞬間、白い影が直ぐ脇を掠めて落下した。 それは数棟のビルを巻き込み、突き破り、瓦解させて大地に突っ込んだ。 白いトンガリ帽子に右手のドリル。間違いなく先ほどまで交戦を続けていた敵機だった。 何が起こったのかは分からない。 だが、これはチャンスだった。この場から離脱するチャンスだ。 機体を起こす。逃げようと跳び上がり、背筋が凍りつくような悪寒に襲われた。 咄嗟にその場から飛び退く。 ほぼ同時に暗い何かが眼前を駆け抜け、前面の装甲が軋みを上げた。 巨大な重力波がその場を駆け抜けたのだ。 思わず振り返り、射撃地点を探す。 だが、その方角にそれを打ち込んだはずの者は映らなかった。変わりに視界を覆い潰したのは―― 「……嘘だろ」 ――幾百にも折り重なる火気の群。彼方から飛来し、暁の空を覆い尽くすミサイルの雨。 その狐につままれたような光景に一度思考が停止し、統夜は恐怖した。 「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!」 五大剣を鞘に収め、退く。 退きながら、烈火刃を取り出しては片っ端から投げ、撃ち落す。しかし、丸で足りない。 烈火刃の残されていたストックは五十本を越えている。だが、その全てを投げ終えてもなお百を下らない数。 気休めにもならなかった。そんな半端な数ではないのだ。 安全圏など何処にもなかった。遮蔽物を利用するとかそういうレベルでは既にないのだ。 この規模のミサイルを完全に避けようと思えばそれは、地下やシャルター以外に選択肢はない。 だが、ヴァイサーガがそれらに入れるはずもない。 「畜生! 畜生!! 畜生!!! そうやって寄ってたかって俺一人いじめて、楽しいのかよ!! お前らはそれで満足なのかよッッ!!!!」 こうなれば多少の被弾は覚悟の上でミサイルの雨の中、駆け抜ける他はない。 その場合、ミサイル一発一発の重みが問題だったが、もうどうにでもなれという心境だった。 どうせ悩んだってどうにもならないのだ。 そして、ヴァイサーガが鞘を払ったのとそこら一帯にミサイルが降り注ぎ始めたのは、ほぼ同時のことだった。 ◇ ミサイル降り注ぐ爆撃地帯から少し離れた上空にシャギアは位置していた。 そこで戦況を見守りつつ通信機に声を吹き込む。 「ミサイル21基。目標座標X3.78-3.88 Y0.77-0.83」 それは通信圏ギリギリに位置する甲児とペガスの二機を経由して目視圏外に位置するナデシコへと伝わる。 一拍遅れて21基のミサイルが指示した地点を襲う。 遠距離攻撃の手段が尽きていることは確認済み。だから、初撃ほど大量の火器は必要ない。 そして、ガロードの退避も既に済んでいる。巻き込む心配は既になかった。 「やったのか?」 「いや、まだだな。チェックメイトにはまだ早い」 爆撃区域を切り抜けた敵機を確認して、甲児の質問に軽く答える。 そう、チェックメイト。すなわちチェスである。シャギアにとってもはや戦況はチェスに等しい。 あの高速戦闘を見たときからそこに割り込む気など皆無だったのだ。 例え勝てるとしても、相手の得意な土俵で戦うことほど愚かなことはない。だから自分の土俵に引きずり込んだ。 速度で勝る相手は手数で圧倒してやればいいのだ。 そして、それはナデシコという強襲戦艦があれば可能だった。 唯一の懸念はこちらの準備が整うまでに白い機体が落とされないかということだった。だが、それはギリギリで間に合ったといえる。 恐らく突撃の際、強烈なGに耐えかねて気絶でもしたのだろう。 バランスを崩し、黒い機体にぶつかって落下したが、その程度で乗り手が死んだとは思えない。 レーダーが敵機を確認する。優越感に浸ったシャギアは笑いが込み上げてくるのを感じた。 「誤差修正+0.082 -0.034」 降り注ぐミサイルの雨を切り払い、被弾しながらも敵は逃げ場を探して駆けている。 さすがにその動きは素早い。だが、予想外の速度ではない。 「X3.68 Y0.69。続けてX3.68 Y0.74。ミサイル各5基」 矢継ぎ早に指示を出していく。南北をミサイルに阻まれた敵機はもはや東に駆け抜けるしか道はない。 その尻を追うように後方に次々と着弾させていく。 自らの手の平の上で逃げ惑うその様は健気で、憐れで、滑稽だった。だが、それももう終わる。 「目標座標X3.88 Y0.71。グラビティーブラスト発射用意」 既にこれまでの流れで敵機の足は掴んだ。後はそれを考慮してそこに最大の一撃を打ち込めば―― 「――詰みだ。グラビティーブラスト発射」 巨大な破壊の力を携え、重力の荒波が撃ち出される。それは阻むもの全てを呑み込み、目標地点も、その延長線上も全てを抉り飛ばして無に返した。 だが、そのとき黒い機体はそこにはいなかった。 誘導されつつあることを薄々感づいていたのだろう。 ナデシコがグラビティーブラストを放つ直前の溜め。ミサイルによる爆撃が止むその一瞬に、向きを変え離脱していたのだ。 だが、それすらもシャギアの読みの上である。黒い機体を二つのガン・スレイブが囲い込む。 そしてその真ん中、黒い機体が足を止めたその場所に―― 「数価変換、ゲマトリア修正……残念だったな、少年。 チェックメイト。さよならだ。ベリア・レディファー」 ――赤黒い火球が打ち込まれ、呑み込み、内包した全てを消失させ、そして爆発。 だがしかし、その爆発後には何もなかった。あるのは一つの巨大な穴のみであり、その下にはまた別の空間が見て取れた。 覗き込む。道は幾筋かに分かれており、その太さはバラバラだった。小さいものは20mほどだが、大きいものは100m近くもある。 追いかけるのは少々骨が折れそうだった。それをする暇もない。 「まさか地下空間が存在するとは……してやられたな」 興醒めといった感じでシャギアは振り返る。そこには兜甲児とガロード=ラン、二人の姿。 補給は必須だろうが戦力を損耗することもなかった。まずまずの戦果と言っていい。 後はガロード=ラン。奴との交渉を穏便済ませればことはうまく進む。それが終わればこんどこそ首輪の解析に打ち込もう。 そう、シャギアは決めて、この空域に侵入してくる巨大な戦艦を見上げた。 【シャギア・フロスト 搭乗機体:ヴァイクラン(第三次スーパーロボット大戦α) パイロット状態:良好、テニアを警戒 機体状態:EN55%、各部に損傷 現在位置:C-8市街地 第一行動方針:ガロードと話をする 第二行動方針:人気がなく見晴らしのいい場所へ移動 第三行動方針:首輪の解析を試みる 第四行動方針:比瑪と甲児を利用し、使える人材を集める 第五行動方針:意に沿わぬ人間は排除 最終行動方針:オルバと共に生き延びる(自分たち以外はどうなろうと知った事ではない) 備考1:ガドル・ヴァイクランに合体可能(かなりノリノリ)、自分たちの交信能力は隠している。 備考2:首輪を所持】 【兜甲児 搭乗機体:旧ザク(機動戦士ガンダム) パイロット状態:良好 機体状態:良好 現在位置:C-8市街地 第一行動方針:ガロードと話をする 第二行動方針:ヒメ・フロスト兄弟と同行 第三行動方針:ゲームを止めるために仲間を集める 最終行動方針:アインストたちを倒す 】 【宇都宮比瑪 搭乗機体:ナデシコ(機動戦艦ナデシコ) パイロット状態:良好、ナデシコの通信士 機体状態:EN60%、相転移エンジンによりEN回復中、ミサイル90%消耗 現在位置:C-8市街地北東(ナデシコブリッジ) 第一行動方針:甲児・フロスト兄弟に同行 第二行動方針:依々子(クインシィ)を探す 最終行動方針:主催者と話し合う 備考:ナデシコの格納庫にプロトガーランドとぺガスを収容】 【熱気バサラ 搭乗機体 プロトガーランド(メガゾーン23) パイロット状況 神経圧迫により発声不可、気絶中、顔に落書き(油性マジック) 機体状況:MS形態 落ちたショックとマシンキャノンの攻撃により、故障 現在位置:C-8市街地(ナデシコ医務室) 第一行動方針:新たなライブの開催地を探す 最終行動方針:自分の歌でゲームをやめさせる 備考:自分の声が出なくなったことにまだ気付いていません】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態 疲労大、苛立ち、マーダー化 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN1/4、烈火刃残弾ゼロ 現在位置 C-8地下通路(実は偶然落下しました) 第一行動方針 この場からの離脱。 最終行動方針 優勝と生還】 【ガロード・ラン 搭乗機体:ストレーガ (スーパーロボット大戦D) パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。 機体状況:右肩に刺し傷、各部にダメージ(戦闘に支障無し) 現在位置:C-8 第一行動方針:シャギアと話をする 第二行動方針:アムロと合流する 第三行動方針:勇、及びその手がかりの捜索 最終行動方針:ティファの元に生還】 【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ~世界最後の日) パイロット状態:気絶中 機体状態: ダメージ蓄積 、胸に裂傷(中)、ジャガー号のコックピット破損※共に再生中 現在位置:C-8 第一行動方針:勇の捜索と撃破 第二行動方針:勇がここ(会場内)にいないのならガロードと協力して脱出を目指す 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】 【ジョナサン・グレーン 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ~世界最後の日) パイロット状態:死亡 機体状態:ダメージ蓄積 、胸に裂傷(中)、ジャガー号のコックピット破損※共に再生中】 【パイロットなし 搭乗機体:ぺガス(宇宙の騎士テッカマンブレード) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:良好、現在ナデシコの格納庫に帰還中 現在位置:C-8市街地】 【残り23人】 【二日目7:15】 BACK NEXT 朝ごはんは一日の活力です!! 投下順 leaving me blue 二つの依頼 時系列順 計算と感情の間で BACK NEXT 朝ごはんは一日の活力です!! シャギア 適材適所 朝ごはんは一日の活力です!! 甲児 適材適所 朝ごはんは一日の活力です!! 比瑪 適材適所 朝ごはんは一日の活力です!! バサラ 適材適所 戦いの矢 統夜 疾風、そして白き流星のごとく 戦いの矢 ガロード 適材適所 戦いの矢 クインシィ 適材適所 戦いの矢 ジョナサン
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/12.html
本編目次時系列順 一日目 第一回放送まで 二日目 第二回放送まで 第三回放送まで 三日目 第四回放送まで
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/354.html
眠れる基地の魔王、悪が振るう剣 ◆VvWRRU0SzU 「あら、お目覚めですの?」 覚醒した男の耳をくすぐったのは、あどけない少女の声。 身を起こす。そして己の身体を見回し、大事がないことを悟ると、一言。 「ふう、死ぬかと思ったぜ」 「よく言いますの。あんな無茶なことをする割にお軽い方ですのね」 「おや、お嬢ちゃんは……ってこたあ、ここは最初に集められた場所かい?」 男――ガウルンは、突如投げ出された場所、そして主催者たるアルフィミィを前にしても毛筋ほども動揺を見せない。 パンパン、と埃を払い泰然と立ち上がる。 「ええ、まあ……って、ここに来るつもりであの穴に飛び込んだんではないんですの?」 「いいや、とりあえずあそこからトンズラするには丁度いいと思っただけさ。さすがに俺も機体があれじゃあな」 振り向くガウルン。そこには大破したぺガスがあった。 巨大インベーダーが撃滅され戦況がほぼ決したあの瞬間、ガウルンは撤退を選んだ。 だが機体が機体、普通に逃げるのではアキトからは逃げ切れない。そう判断したガウルンは一芝居打った。 マスターガンダムをわざと損傷させ、身動きが取れないと見せかける。機体を目立つ位置へと露出させ、アキトに発見させる。 当然マスターガンダムは破壊される。 しかしその時ガウルンはとっくに脱出していて、乗り手がいなかったぺガスともども空間の穴に飛び込んだ――という訳だ。 しかしぺガスが近くに墜落していたのは運が良いとしか言いようがなかった。 そうでなければそのまま近くの廃墟に身を隠すしかなかったのだ。機体がなければここでは何もできない。 ぺガスはさすがに廃墟に入ることはできなかったので、咄嗟に空間に空いた穴へと目標を変える。 正直これだけは賭けだった。そもそも穴の向こうはどうなっているかわからない。 ともすれば宇宙空間に飛び出して一瞬でお陀仏だったかもしれないのだ。 「そこは、私に感謝してほしいですの。あなたをここに引っ張ったのは私なんですもの」 「へえ……お嬢ちゃんが俺を、ねぇ。もちろん礼は言うが、それだけでもないんだろう?」 「そうですの……あなたは傭兵と聞きましたの。そのあなたを見込んで、頼みたい仕事があるんですのよ」 「仕事ねぇ。いや、仕事を受けるのは吝かじゃないがな。それに見合う報酬はあるのかい?」 「あら、命を助けたことでは足りませんの?」 「……そこを突かれると辛いねぇ。まあ、まずは話を聞こうじゃねえか。どんな仕事なんだ?」 「あなたにお願いする仕事は大きく分けて三つありますの。一つ、今までどおりに殺し合いに参加すること。これはまあ、頼むまでもないと思いますの」 「おう、俺ぁ降りる気はねえぜ。まだまだ喰い足りないんだからよ」 「頼もしいことですの。……二つ、会場中に散らばったこれらの排除」 少女が手を振ると、何もない空間に映像が浮かびあがる。 そこに映し出されたのは先程大挙して現れた怪物、インベーダー。 「このインベーダー達は先程F-1エリアに出現したものがすべてではないですの。 禁止エリア――ぶっちゃければ早期に小さな空間の綻びを確認したエリアの事ですが、ここにも少数ですが出現を確認しましたの。 これらのエリアの穴は比較的小さいので出てくる数は少ないのですが、放置しておくのも気分が悪いですの。 それと、インベーダーは機械と融合してメタルビーストというものになりますの。近い所に破壊された機体があるときは要注意! ですの。 一応そのエリアのインベーダー全てを駆除すれば後続は出て来ないはずですから」 「ふむ……だが、禁止エリアってこたぁ俺には手が出せないんじゃねえか?」 「あなたの首輪だけは出血大サービスで爆破機能を解除して差し上げますの――まあ、代わりにペナルティを科しますけれど」 「ペナルティ、ね。まあいい、最後の仕事は?」 少女が再び手を振る。インベーダーの映像が消え、代わりに現れた映像は―― □ 近距離指向性・近接戦闘用炸裂弾M180A3、通称スクエア・クレイモア。 爆裂する鉄鋼球が群がるインベーダーをズタズタに引き裂く。 消し飛んだ異形の命は50を軽く超える。それだけでは留まらず、僅かに原形を保っていた基地跡は完全に崩壊した。 陣形――といってもただ囲んでいただけのものだが――を崩され、異形達が悲鳴を上げる。 一際巨大な個体へと突進。右腕の杭が突き立てられ、火薬の弾ける音が連続する。 その間も突進は止まらない――インベーダーの頭から突入したゲシュペンストMkⅢは、やがてインベーダーの足元へと抜ける。 ステークの衝撃が強すぎて当たった瞬間にインベーダーの身体が弾け飛び、次の火薬が発火する頃には機体が前進してしまうのだ。 着地し、ゆっくりと自身を囲むインベーダーを睥睨する。 蒼い体躯から放たれる紅の眼光が、感情など持たないはずの宇宙生物達を威圧し、たじろがせる。 もう気付いているはずだ。彼らが相手にしているのは、あるいはゲッターロボに比肩し得るほどに危険な敵なのだと。 ゲシュペンストが足を踏み出す。 その一歩がまるで落雷のように、インベーダー達は後退する。 基地に隣接する禁止エリアから湧き出てきたインベーダーは、愚かにも基地で眠る男へと手を出してしまった。 それが自らを滅ぼす者だと気付きもせずに―― 「ククク……ハハハハッ……これだ。闘争……これこそが」 ディバイデッドライフルを構える。エネルギーを注ぎ込む――解放。 莫大な熱波の奔流が直線状のインベーダーを消し飛ばす。 「もっとだ……もっと。さあ……俺に痛みをくれ。進化を促す……更なる力を、得る……ために」 リボルビングステークの薬莢が排出される。 空になった弾倉――だが胸の宝玉が発光し腕へと伝う。内側から盛り上がったアインスト細胞が、組成変化を起こし弾薬となる。 「さて――やろうか」 そして虐殺が始まった。 □ 「――なんだ、あいつは。あれも参加者……なのかい?」 「そうですの。まあ、今はちょっと人間やめてますけれど……」 基地を埋め尽くさんばかりのインベーダーと、単騎で渡り合っている――押してすらいる蒼い機体。 巨大というほどでもない。だが内包する力は、あるいはガウルンが今までに見たどんな機体よりも強力だ。 傲岸不遜を地で行くこの男が、我知らず頬を伝う汗を拭う。 自分でも驚くほどに冷たい汗だった。 「まさかとは思うんだが、三つめの仕事ってのは……」 「ええ。アレを撃破して欲しいんですの」 「おいおい……勘弁してくれよ。正真正銘の化けもんじゃねえか。あれに空手で突っ込んでけって?」 「あら、言い忘れてましたの。当然、あなたには新しい機体を用意しますから安心して欲しいですの」 三度、アルフィミィが手を振る。 暗いホールに光が刺した。 暗闇の中浮かび上がった、一機の機体。 「ほう……こいつは?」 「元々はルール説明の時、首輪を爆発させた人に支給するはずだった機体ですの。 あそこで爆発させちゃったのは予定になかったので、余ってたんですの。 大抵の機体には当たり負けしないはず……これを進呈致しますの」 「ああ、あの姉ちゃんの分か。ふむ……ま、いいだろ。その仕事受けようじゃねえか」 「契約成立ですのね。ではこれを飲んで下さいな」 少女がガウルンに錠剤のようなものを手渡す。 「こいつは?」 「先程申しましたペナルティですの。それを飲めば、禁止エリアに入っても首輪は反応しません。 代わりに……あ、やっぱり秘密ですの。どうせすぐわかりますの」 「おいおい。教えてくれてもいいじゃねえか」 不満を訴えるガウルン。その眼光は言い分を聞かなければ殺すと言わんばかりに鋭いが、人間でない少女には寸毫の怯みもない。 「ただでさえあなたにはサービスしてあげてるんですの。 これ以上は公平さを欠く――と言いますか、こんな事態になってなければそもそも助けもしませんでしたの」 「つまりあんたがテコ入れしなけりゃならないほど事態は混乱しているってことか……なら贅沢は言えねえな」 「ご理解感謝致しますの。……さて、そろそろ舞台に戻ってもらいますの。どこかご希望の地域はありまして?」 「送ってくれるのかい?」 「ええ。私としては、今すぐ基地へ向かって欲しいんですけれど?」 「おいおい、それは勘弁してくれ。機体の慣らしもしてないのにあいつにぶつけられちゃ堪らん」 「それもそうですの。では、どこへ?」 「そうだな――」 とりあえずナデシコの辺りはもういい。 アキトとの戦いは中々楽しめたし、今も生き残っているかもしれないが同じ味ばかりでは飽きも来る。 同じ理由であそこにいた奴らも却下――どうせなら興味のある相手がいい。 さしあたって候補に挙がるのはアムロ・レイか――いや。 「――――のところがいい」 「ああ、あの人。構いませんけれど……あら。今、戦っているようですの。相手はインベーダーですわね」 「何、そりゃいけねえ。急いでくんな、お嬢ちゃん」 「はいはい。では、また会える時まで、ごきげんようですの――」 機体に乗ったガウルン。 ガクン、と震動が来て、機体が落ちていく感覚とともに、ガウルンは目を閉じた。 次に目を開けたとき、そこは―― □ 「統夜、大きいのが来たよ!」 「下がれテニア! 俺が行く!」 A-1、市街地。 ユーゼス・ゴッツォと別れてすぐここに向かった紫雲統夜、フェステニア・ミューズ。 誰もいない静寂の市街地で、二人だけの時間を過ごしていた恋人達の時間を邪魔をするは無数の侵略者――インベーダー。 警告も対話もなく、いきなり襲いかかってきた異形。 泡を喰い機体に乗り込んだ二人は事態を把握する暇もなく迎撃に追われている。 「畜生、剣があればこんな奴ら……!」 ヴァイサーガは腕の隠し武器である鉤爪を伸ばし、戦っている。ユーゼスに持ち逃げされた五大剣の代わりには成り得ないが、今はこれと烈火刃だけが頼りだ。 ベルゲルミルはようやっと再生したばかりのシックス・スレイヴを温存することなく操っている。 インベーダー一体一体の強さはそれほどでもない。 ヴァイサーガが本調子ならそれほどでもないのだが、現状では十分な脅威。 「はぁっ、はぁっ……! これで、止めだ!」 一際巨大な個体をシックス・スレイヴが固定。動きの止まったところに、駆け寄ったヴァイサーガの一撃が決まる。 断末魔とともに消えるインベーダー。 「……終わった、か」 「もう、なんなのこいつら! 訳わかんないよ!」 「俺だってわからないよ――いや、待て! また来るぞ!」 北の光壁を抜けて、新たなインベーダーが迫る。 「統夜、どうするの!? これじゃあ……」 「くそ……! どうすれば、」 押し寄せる壁のように群れ集まったインベーダー。 烈火刃とマシンナリーライフルで迎撃するも数が多すぎる。 飲み込まれる寸前――更に上空から何か、人型の影が落下してきた。 それは腕を伸ばし、剣のようなものを構える。剣は瞬く間にその質量を増し、巨大な刀――まさしく斬艦刀とでも言うべき姿に変わった。 「なっ……」 「……ィィィイイイッヤッッホォォォォォォオオオオオオオウウウゥゥゥッッ!!」 雄叫び――歓喜のそれとともに、斬艦刀が振り下ろされた。 インベーダーが軽々と薙ぎ払われる。まさしく、鎧袖一触。 何か――巨大な鎧武者がヴァイサーガの前に降り立つ。 ヴァイサーガよりも一回り大きい。ヴァイサーガを騎士と表現するなら、それはまさに武者。 「よう、統夜。それにテニアの嬢ちゃん……会いたかったぜぇ?」 その機体から聞こえてきた声は、インベーダーから助けてくれたこの状況とはいえ決して聞きたくなかった男のもの。 「ガウ……ルン!?」 統夜の、そしてテニアの喉から漏れたその呻きは友好的な成分は微塵もない。 ガウルンはその絶望感溢れる嘆きを聞き――沸き上がる歓喜とともに頬を吊り上げた。 【ガウルン 搭乗機体:ダイゼンガー(バンプレストオリジナル) パイロット状況:疲労(大)、全身にフィードバックされた痛み、DG細胞感染 機体状況:万全 現在位置:A-1 市街地 第一行動方針:存分に楽しむ。 第二行動方針:統夜&テニアの今からに興味深々。テンションあがってきた。 第三行動方針:アキト、ブンドルを殺す 第四行動方針:禁止エリアのインベーダー、基地のキョウスケの撃破 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考1:ガウルンの頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました 備考2:ダイゼンガーは内蔵された装備を全て使用できる状態です 備考3:謎の薬を一錠所持。飲めば禁止エリアに入っても首輪が爆発しなくなる(飲んだ時のペナルティは未定)】 【紫雲統夜 登場機体 ヴァイサーガ(スーパーロボット大戦A) パイロット状態:精神的に疲労 怒り 機体状態 左腕使用不可、シールド破棄、頭部角の一部破損、全身に損傷多数 EN70% 五大剣紛失 現在位置:A-1 第一行動方針:インベーダー、ガウルンに対処 第二行動方針:ユーゼスに協力。でも信用はしない 最終行動方針:テニアと生き残る】 【フェステニア・ミューズ 搭乗機体:ベルゲルミル(ウルズ機)(バンプレストオリジナル) パイロット状況:焦り 機体状況:左腕喪失、左脇腹に浅い抉れ(修復中) EN50%、EN回復中、マニピュレーターに血が微かについている 現在位置:A-1 第一行動方針:インベーダー、ガウルンに対処 第二行動方針:ユーゼスに協力。不審な点があれば容赦しない 最終行動方針:統夜と生き残る 備考1:首輪を所持しています】 【ぺガス(宇宙の騎士テッカマンブレード) パイロット状態:パイロットなし 機体状態:大破 現在位置:ネビーイーム】 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ゲシュペンストMkⅢ(スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:ノイ・レジセイアの欠片が憑依、アインスト化 。DG細胞感染。 機体状況:アインスト化。ディバイデッド・ライフル所持。機体が初期の約1,2倍(=30mより少し小さいくらい) EN80% 現在位置:G-6基地跡地、発電施設内 第一行動方針:すべての存在を撃ち貫く 第二行動方針:――――――――――――――――――――カミーユ、俺を……。 最終行動方針:??? 備考1:機体・パイロットともにアインスト化。 備考2:ゲシュペンストMkⅢの基本武装はアルトアイゼンとほぼ同一。 ただしアインスト化および巨大化したため全般的にスペックアップ・強力な自己再生能力が付与。 ビルトファルケンがベースのため飛行可能(TBSの使用は不可)。 実弾装備はアインストの生体部品で生成可能(ENを消費)。 備考3:戦闘などが行なわれた場合、さらに巨大化する可能性があります(どこまで巨大化するか不明)。 直接機体とつながってない武器(ディバイデッド・ライフルなど手持ち武器)は巨大化しません。 現在はギリギリディバイデッド・ライフルが使用できますが、これ以上巨大化した場合規格が合わなくなる恐れがあります。 胸部中央に赤い宝玉が出現】 【アルフィミィ 搭乗機体:デビルガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:ネビーイーム 第一行動方針:バトルロワイアルの進行 最終行動方針:バトルロワイアルの完遂】 ※禁止エリアにインベーダーが出現しました。 これ以上数が増えることはありませんが、操縦者のいない機体に取りつくとメタルビースト化します。 また、F-1エリアにゲッター線が高濃度で残留しています。 【二日目15 30】 【残り16人】 BACK NEXT 王の下に駒は集まる 投下順 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! 王の下に駒は集まる 時系列順 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! BACK NEXT かくして漢は叫び、咆哮す シャギア 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 アイビス 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 甲児 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 キラ 時の結実――すなわち成長 遺されたもの ロジャー 時の結実――すなわち成長 遺されたもの ソシエ 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 ブンドル 時の結実――すなわち成長 かくして漢は叫び、咆哮す バサラ 時の結実――すなわち成長 ゲッターロボ 竜馬 かくして漢は叫び、咆哮す ガロード かくして漢は叫び、咆哮す クインシィ かくして漢は叫び、咆哮す アキト 時の結実――すなわち成長 王の下に駒は集まる ユーゼス 時の結実――すなわち成長 破滅の足音 アムロ 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! 破滅の足音 カミーユ 見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌! かくして漢は叫び、咆哮す ガウルン 排撃者――表 王の下に駒は集まる テニア 排撃者――表 王の下に駒は集まる 統夜 排撃者――表 膨れ上がる悪夢 キョウスケ 排撃者――裏 揺れる心の錬金術師 アルフィミィ 排撃者――裏
https://w.atwiki.jp/sotto_project/pages/150.html
目次 第3話「ビッグフォーに影は落ちる」のメモビッグフォー ガム 旧黒石公寓(Blacckstone Apartment/復興公寓) パブリックガーデン 上海のエレベータ 上海駐在武官 ガムを詰めて銃は暴発するのか? 第3話「ビッグフォーに影は落ちる」のメモ > ビッグフォーと呼ばれた上海の四つの大きなデパート。その一つ、永安デパートの食堂に雪菜と棗がいた。数時間前、雪菜の許に大陸に姿を消した兄、勲からの手紙が届き、指定された再会の刻限をそこで待っていたのである。同じ頃、葵と葛もビッグフォーへ向かっていた。四つのデパートのどこかに爆弾を仕掛けたという犯行声明が届いたというのである。直後、予告通り、そのデパートの一つで大きな爆発が起こる。 < 放送情報&ストーリー|閃光のナイトレイド 【公式の解説記事】第3回|歴史ナビゲーター・金谷俊一郎氏のワンポイントコラム|閃光のナイトレイド ビッグフォー 上海最大の繁華街・南京路沿いにあった、オーストラリア華僑による4大デパート、先施公司(1917年10月20日開店)、永安公司(1918年9月5日開店)、新新公司(1926年1月23日開店)、大新公司(1936年1月10日開店)のこと。…ん!?あれれ???大新は1931年にはまだ存在していないのでは? 「閃光のナイトレイド」(第3話)は、1931年が舞台なので、 大新公司は未だ開業していない事になりますね。 美術設定を見ても、「工事中」となっています。 BIG4|閃光のナイトレイド ブログ http //6109.jp/nightraid/?blog=62842 おっ、きちんと考えてるのね。疑ってゴメンなさい! 南京路 (上海) - Wikipedia #107今日の上海(1928年)共同租界ほかの写真集(17) 上海の北部虹口/ウェブリブログ「取り上げているのは、四大デパートと称された先施、永安、新々、大新の内の新々までで、大新はない。(1936年筑)」 プロの観光案内 上海のデパート:エクスプロア上海南京路の四大デパートについて詳しい解説あり DEIE-blog 上海見聞録ー上海レポート(4)かつての四大デパートの現状を撮した写真あり 「中国の風景」22「上海の百貨店」|まるごと上海 上海影視楽園 - Wikipedia1930年代の南京路も再現されている映画撮影所 ロケ地ガイド 上海影視楽園 【中国語】歓迎光臨 上海影視楽園! 「中国の風景」16 「松江映画楽園」|「まるごと上海」セット内の1930年代の南京路や、路面電車など、写真がいっぱい ガム チューインガムの歴史|日本チューインガム協会1928年ごろには国産ガムも製造販売が開始されていたらしい 旧黒石公寓(Blacckstone Apartment/復興公寓) 雪菜と棗が暮らすマンション。フランス租界地区であった復興中路に所在。1924年に竣工された欧米人向けのアパートメントで、プール付き。 旧黒石公寓 - 中国大連&上海☆チキドン日記(空飛ぶメイちゃん日本へ帰る!) - Yahoo!ブログマンション最上部の装飾の詳細や、一階入り口を撮影した写真あり 旧・フランス租界-旧・ラファイエット路-旧・ブラックストーン・アパートメント 復興公寓 | 中国生活情報サイト「ちゃいなび」室内を撮影した写真あり 井上@打浦橋@上海さんの旅行記 | 上海 写真 |旅行のまぐまぐ!上海歴史陳列館に模型がある、とのこと 上海フランス租界 - Wikipedia パブリックガーデン 黄浦公園(パブリック・ガーデン) - 閃光のナイトレイド/各話別メモ/02話|そっとプロジェクト@Wiki 上海のエレベータ 中国で最初にエレベータが設置されたビルは、上海の匯中飯店(Palace Hotel)で1908年のこと。 旧パレス・ホテルビル - Wikipedia 上海駐在武官 この当時の陸軍・上海駐在武官と言えば、翌1932年の第一次上海事変で暗躍することになるあの人。 田中隆吉 - Wikipedia 虹色のトロツキー 6 (中公文庫 コミック版 や 3-24) 松岡正剛の千夜千冊『虹色のトロツキー』安彦良和 ガムを詰めて銃は暴発するのか? 教えて、キートン先生! 浦沢直樹×勝鹿北星「CHAPTER 8 出口なし」『MASTERキートン』(7) MASTERキートン (7) (ビッグコミックス) ま、超能力でガムの粘着力を強化したとかうんちゃらだとは思うけどw /) ///) /,.=゙''"/ / i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!! / / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ / ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\ / ノ il゙フ ⌒(__人__)⌒ \ ,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| | / iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ / 上海歴史ガイドマップ
https://w.atwiki.jp/astralibrary/pages/14.html
雑談はこちらから。別にDM関連でなくてもかまいません。 すいません、いったん滅ぼしました>< -- Astral (2010-08-02 17 44 44) Astralさん ブログ見させて頂きました 旅行楽しそうでしたね〜オリカのセガサターン見て吹きました サッカーの事を書いてましたが(関連性は、ナーシ!!)野球ではどのチームが好きですか? 自分はジャイアンツです -- マイルス (2010-08-04 12 31 13) 野球は西部がいいです!!ゲームで使ってるという理由で! -- Astral (2010-08-05 23 05 59) Astralさん なるほど 自分はゲームでは中日ばかり使っています (2〜3年連続でリーグ制覇したり) -- マイルス (2010-08-06 21 02 23) 今PC使えないのでこちらに… 楼砂さん>全く問題ないですw あんなデッキでよければ。 -- APOLLO (2010-08-07 12 11 56) 新しいコロコロレジェンド7のカードが一部分かりました 勝舞パック 火ノ鳥ペリュトン ポップ・ルビン ライジングNEX クロスNEX 幻想妖精カチュア 緑神龍ディルガベジーダ白凰パック 白騎士の黙聖セパ ヘブンズゲート 超銀河弾HELL エールフリート ボルフェウス・ヘブン他 ミカドパック 百発人形マグナム スカルムーン他 ・・・・・・・・豪華過ぎるわ!! -- マイルス (2010-08-08 01 41 04) ミカドパックに貴星虫ヤタイズナ、モールス、魔刻の斬将オルゼキア様も再録されます -- マイルス (2010-08-08 09 04 30) 言うほど豪華じゃないのがちょっと…。再録が望まれてた絶版カードがぽつりぽつり入っているので、そこは嬉しいところだとは思います。 -- まじまん (2010-08-08 21 53 45) まだ判明してないわくもあるので、ね。 情報が全部出揃ってからでないとまだなんとも言えないかもしれません。 -- APOLLO (2010-08-08 23 13 20) B・ロマノフ一枚しか持ってないんですが、デッキ作れますかね?(ヴィルジニアは大量にあります) -- マイルス (2010-08-09 21 38 53) Bロマノフの強さは早期召喚にあるので、厳しいと思います。 -- APOLLO (2010-08-09 22 47 43) APOLLOさん わかりました コロコロレジェンド7にケンゲキオージャ再録確定らしいっす -- マイルス (2010-08-10 12 53 50) さらにバルクライ王、デバウラ、ソウルキャッチャー等も再録されます -- マイルス (2010-08-10 15 39 20) 双つ牙(デュアル・ファング)を使った緑/白デッキを考えているのですが デュアル・ファングと相性のいい光のカードってありますか?(エルフェ入れる予定です) -- マイルス (2010-08-11 12 58 42) 新たな再録カード情報 フルスロット・サージェント キューティーハート(?) ネビュラウィング 超銀河剣THE・FINAL デス・ロマノフV世(デバウラと同パック) -- マイルス (2010-08-11 14 03 26) キューティーハートではなくアクア・ツバメガエシでした -- マイルス (2010-08-11 16 24 17) マイルスさん 再録の情報は東口様等で見れるので、ここに書く必要はないと思います。書かれた所でリアクションに困りますしね。あと、ふたつ牙、光と言えばデルフィン何てどうでしょう? -- APOLLO (2010-08-12 09 16 37) APOLLOさん デルフィン・・・・・、スーパーデッキ版をシングルで2〜3枚ほど買ってみます、ありがとうございました PS 台風に気をつけて下さい -- マイルス (2010-08-12 11 31 48) チャットの方、よろしくお願いします。 -- Astral (2010-08-12 22 45 52) まじまんさん 超硬聖霊白単への評価ありがとうございました とりあえず、ミストリエス一枚入れてみます -- マイルス (2010-08-13 15 14 50) 初めてのこちらでのデッキ公開。 -- B.A.S.永焔 (2010-08-13 18 17 38) 牙デルフィンに入れるビーストフォーク悩んでます 今のところ決まっているのは 新緑の双月、青銅、レイジアーム、ふたつ牙です (何かアドバイスお願いします) -- マイルス (2010-08-15 19 29 10) レイジアームはどちらかというと速攻向きなので入れるのはお勧めしないです。パワー1000ばかりだと薔薇で死ぬので誕生の祈辺りの投入を推奨します。 -- dragon_black (2010-08-16 03 42 39) dragon_blackさん ありがとうございます、早速入れてみます。 あと、はじめまして。 (余計かもしれませんが)DM SAGA、デュエルマスターズオリカWIKIというサイトで自分だけのオリカを作れます(ネタもOKです)、良かったらアクセスしてみて下さい(*^_^*)、ちなみに一軍デッキは超硬精霊白単(ここに投稿したデッキ)です -- マイルス (2010-08-16 09 34 46) そういうことは管理人さんの許可なしに言っちゃいけない気が… まぁ、二人ともいい人ですから気にしないと思いますが、気にする人もいるので、気を付けた方がいいと思います。 -- APOLLO (2010-08-17 13 43 50) APOLLOさん すみませんでした DM vault様では連鎖デッキが人気みたいですが皆さんはどう思いますか? -- マイルス (2010-08-25 13 03 02) マイルスさん 失礼を承知で言いますがちょっと一人で盛り上がり過ぎだと思います。 -- 氷月 (2010-08-27 00 11 13) 氷月さん すみませんでした。気をつけます -- マイルス (2010-08-27 01 54 07) チャットのご利用待ってまーす^^暇なときにでも顔を出して見てください^^ -- Astral (2010-09-15 23 23 35) 皆さんは「フリーズ」をどのように使ってますか? コンセプトにしてデッキを組みたいのですが、やはりビートダウン系になるのでしょうか -- まじまん (2010-11-21 14 33 22) ビートになると思います。相手プレイヤーに攻撃しなければなりませんし -- 紅鬼 (2010-11-21 21 06 08) 紅鬼さん 解答ありがとうございます。やはりビートですよね……タップキルとかあまり組んだ事ないから構築に自信ないです -- まじまん (2010-11-21 22 11 10) まじまんさん エルフェウスあたりいかがでしょうか? -- マイルス (2010-11-28 00 51 14) マイルスさん エルフェウスもありですねー。ただエンジェル・コマンドは重くて、軽量ビートには向かないという欠点が……。いっそ中速程度に組んでみましょうかね?(´∀` -- まじまん (2010-11-28 12 34 59) このWikiの存在を忘れていたことに気づいた28日 -- Astral (2010-11-28 23 15 15) Astralさん ちょww -- まじまん (2010-11-29 01 00 11) ttp //twiwright.blog.shinobi.jp/ ブログの宣伝を勝手に行うのもどうかと思いますが、よろしくお願いします^^ -- まじまん (2010-12-28 23 37 37) うおっブログですか!私のブログとリンク結んでもいいですかね? -- Astral (2010-12-29 13 04 58) Astralさん 返事遅れてすみません 是非G・リンクしましょう! -- まじまん (2011-01-02 14 39 18) おおwありがとうございますw あ、それとデッキコンテストっぽい企画も設けたのでぜひどうぞw -- Astral (2011-01-02 15 51 56) 現在、フォーチュンスロットを主軸に捉えたデッキを考察中。色は多分『白青黒(+緑?)』になる…かな? -- 紅鬼 (2011-01-09 22 28 47) デュエル・マスターズオリカWIKIが無くなるみたいです -- マイルス (2011-03-30 19 14 38) 人口少ない…… -- 紅鬼 (2011-04-16 12 37 47) 今スタートダッシュデッキ水&闇の改造を考えているのですが、何かアドバイスお願いいたします(投入予定カードは、ハリセンモンです) -- マイルス (2011-05-05 15 11 01) リバイバーで釣るのがいないのは寂しいので、アクアメルゲなどで墓地を増やしたいですね。でもリバイバー1枚じゃ墓地が余るので、墓地進化なんかも入れると良いかも。(デスマーチなど) 後は -- 紅鬼 (2011-05-05 23 22 48) 途中で切れました。続き 全体的にコストが低いので、連鎖持ちが役立つと思います。てことでジェスタールーペとかを入れてくと、かなりリキッドピープル率が高くなります。なので、クリスタルパラディンとかランサーとか、あるいはマーキュリーギガブリザードも採用できるかと。特にマーキュリーならハリセンモンも進化元として使えますし -- 紅鬼 (2011-05-05 23 26 46) なんかごっちゃなので、脳内構築したデッキを見て頂ければ。強いという保障はできませんが( -- 紅鬼 (2011-05-05 23 28 55) 昨日、DM・オリカ@ウィキに入ろうとしたら、このWikiは携帯からの閲覧を禁止していますと表示されました、この事をタゴ丸さんのWikiに書き込んで下さいませんか? -- マイルス (2011-05-07 13 24 55) 今Wikiを見たら・・・ビクトリーレアというSRを上回るレアリティが追加されるそうです(1箱に0〜1枚封入) -- マイルス (2011-06-23 00 12 45) この中でタゴ丸さんに連絡できる人はWikiのカードがログインしないと見れない状態になっている事を伝えて下さい -- マイルス (2011-07-10 17 45 13) デッキビルダーDX買いましたか? -- マイルス (2011-07-20 17 01 15) 買ってないです。内容は良いのですが、ほとんど足るてるんで。シューティングホールとタイガーグレんオーは欲しいですが -- 紅鬼 (2011-07-31 12 05 37) 名前 コメント